UnBooks:25人の白雪姫

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25人の白雪姫[編集]

むかしむかし、ある森の奥に、立派なお城がありました。王様は数年前に亡くなっており、陛下のお后が地域一帯をお治めになっておりました。

お城には不思議な鏡があり、国の宝としてお后だけがその使用を許されておりました。かつては東方の皇帝が持っていたと言われ、世界を観、それを映し出し、語りかけることができました。

ある日、お后は聞きました。

「鏡よ鏡。世界で一番美しいのは誰だ?」

すると、鏡には溢れんばかりにたくさんの乙女たちが映し出されました。

「女王様。世界で最も美しい方は25人います。その名は、ナターシャ、ローラ、エリザベト、ミシェル、ジェーン、セシリア、アンネ、ファナ、ビビアン、サーシャ、カトリーヌ、キンバリー、ドミニク、エリーゼ、ダイアナ、エディット、メリンダ、ペアトリクス、ブリジット、ルーシー、ジュリア、フランシスカ、ケリー、イリーナ、マリです。順不同でございます」
「何と! 全てあの忌々しいガキ共ではないか! わらわは何番目だ?」
「女王様、あなた様は世界で26番目に美しいお方であらせられます」
「何だと! このわらわを差し置いて! 何故だ!」
「皆それぞれの訳あって白雪姫と呼ばれ、世界にその名を轟かせております。ロンディニウムの元老院では誰がいいかで論争が絶えることはありません」
「何故わらわが個人差のある25人と同列にならないのだ! もうよい!」

お后には子供がいませんでした。乙女たちは先王が残した娘たちで、皆それぞれ腹違いの私生児でした。彼女たちは城内で何不自由なく暮らしており、王室の財政を極めて圧迫しておりました。

以上を口実にして、この日お后は25人の白雪姫全てを幽閉しました。城下町外れの塔の地下室で、過去には重要な反逆者が収容されていた場所です。塔に入るが最後、帰ってきた者は居ないと伝えられ、領内の臣民から恐れられていました。


白雪姫たちを待っていたのは、この世のものとは思えない生活でした。真っ暗でじめじめした牢屋で、今にも病気になってしまいそうでした。毎日毎日、血の色に染まった食事が壁の穴伝いに出されました。えも知れない刺激が白雪姫たちの舌を襲い、これが日常となることは乙女たちにとって耐え難い屈辱でした。

一週間後の夜、獄中に初めて人が入りました。彼はこの塔の看守であると述べ、お后様から囚人を全員処刑するという命を受けていました。しかし、一目白雪姫たち一同を見た瞬間、看守は牢獄どころか、この世のものとは思えない美貌の数々に息を飲みました。

「お嬢様がた。あなた方のような美しい女性がこんなところにいてはその美しさにも陰りが見えましょう。私にはあなた方をここから出し領外へ連れて行くことしか出来ません。それでよろしければ、喜んでお引き受けいたします」

白雪姫たちは皆快諾しました。しかし25人もの人々を馬に乗せるわけにはいかず、彼女たちは皆目立たないように、砂漠の国々の女性たちが身につける黒い被りものを身につけて、歩いて抜け出すこととなりました。

深い森が続きました。白雪姫たちは長い道のりを歩いたことが無かった上に、慣れない重い布を顔にまとっていたので十数マイルもしないうちに音を上げようとしていました。

乙女たちは元気を振り絞ろうとしました。全員で踊りながら歩いたり、全員で歌いながら歩いたり、全員で花一もんめをしながら歩こうとしました。しかしどれも始めるや否や看守に厳しく制止されました。見つかる恐れがあったからです。

看守は初めこそそのハーレムな状態にうっとりしていましたが、乙女たちの傍若無人ぶりに苛立ちをみせ、領外まであと1マイルの所で遂に匙を投げました。

「誠に申し訳ないが、これ以上付き添い続けると次の任務に間に合わない。領外へ出るまでもう少しだ。健闘を祈る。失敬」

もう日は明けようとしていました。


白雪姫たちは戸惑いました。しかしとうの前から道はなく、乙女たちは止めどなく一日中深い森の中をさまよい続けました。

皆一休みしてから再び歩き始めました。一体どこに来たのでしょう。しばらくすると、森の中に小さく開けた空間がありました。淡い陽光が高いところから降り注いでおり、乙女たちはその明るみを目にしただけで大いに喜び、手を取り合って光の中へ進みました。

辺りを見回すと、小さな畑と小さな小屋がありました。どっと疲労が出た乙女たちは協議の末、小屋へ入ることにしました。中へは屈んで入らねばならず、天井は小さな白雪姫たちの身長ギリギリの高さでした。東洋の国の家にあるような大きさのテーブルと、切り株のような椅子。奥の部屋にはお城にあった人形が眠るようなベッドが7つ並べて置いてありました。

小屋はギュウギュウ詰めになりました。床の上で横になることもままなりません。誰がベッドの上で寝るかで白雪姫たちは大いに揉めました。めいめいに壁や天井に力を入れただけで柱は倒れ、梁は外れて、小屋は潰れてしまいました。仕方がないので外で寝ることとなりました。

目が覚めると、そこには三角の帽子を被った小人たちが集団を睨みつけていました。総勢7人。鬼のような形相でした。

「我が家を壊したのはお前らか! そうじゃろ! もんぺの裾に木の破片が引っかかっとる!」
「私は何もしてないわ! ジェーンが!」
「いいえ私じゃないわ! ミシェルよ!」
「何を仰いますの? 間違いなくキンバリーじゃありませんこと?」
「バカバカ! エリザベトがやったんだ!」
「罪の擦り付け合いはやめて。ドルイドの仕業よ」
「ドルイドのせいにするとはなんじゃ! あやつは立派な森の守り神じゃ! お前ら舐めとるのか?」
「親分、これだけ人手があればすぐに家が建てられると思いますが」
「眼鏡黙……確かにそうじゃ! よく言った! よし! お前等には明日からみっちり働いてもらうからな!」
「なあ親分その前にさあ。こんなもんぺ見たことねえぜ。ピカピカじゃねえか。そしてこれは何色なんだ? なあお前ら、一体どこから来たんだ?」

「ほう……。それは不憫じゃのう」

白雪姫たちは事の顛末を話しました。ほとんどは乙女たちを仕切っていたエリザベトによるものでしたが。

「じゃけん、家が無いのはえげつねえからの。おめえらにも協力してもらうことには変わりねえ」
「せやけどこんなか細い手で丸太持てるんか? 物の仕分けぐらいしかできんやろ」
「炊事洗濯と掃除で充分足しになるよ。おっと、大半は君たち自身の分だけどね」
「はあ……。眠い……」

そのころお城では、お后がまた鏡を見ていました。

「鏡よ鏡。世界で一番美しいのはわらわか?」

すると、そこには相も変わらず鏡いっぱいに白雪姫たちが映し出されました。

「いいえ、世界で一番美しいのは――」
「黙れ! そのガキ共を映すな!」
「そうだ。あれしかないわ。わらわには東の大陸から取り寄せた魔術書もある。うふふ、今に見てなさい……」

翌日、白雪姫たちの新しい生活が始まりました。朝は炊事と水汲み、昼は掃除と洗濯、夕方は炊事と洗濯物の取り入れ、そして一日中木の実の採取と仮設の掘っ立て小屋を建てる手伝いをしました。幸いなことに小屋は以前より広く作られることとなり、乙女たちがギリギリ横になって寝られるだけの新たな部屋が用意されることとなりました。白雪姫たちは数グループに別れて作業を分担し、日々の仕事に精を出しました。彼女たちは日常に慣れ、いつしか小人たちも含めた集団の主導権を握るようになりました。


その間お城の地下では、お后が毎日のように鍋でえも知れない色の液体を煮込んでいました。

「トカゲのしっぽに、マンドラゴラの根のペースト、ワールシュタットの骨粉、そこにヒヨス草を逆さに入れて濾過したルテティアのどぶ水で100時間――あとはこの、本にあった神秘の妙薬をひとたらし、ふたたらし――全部入れましょう…………できたわ。そしてこれを入れてすり潰す――さあクソネズミ、お食べ」

しばらく経ったある日の朝、眼鏡を掛けた小人が神妙な面もちで一同をたたき起こしました。

「大変なことが起きました。森に動物たちがいません」

すぐさま会議が開かれました。

「鹿やいのししもおらへんの?」
「はい。動物という動物は鷲から蟻まで皆いません」
「採れる木の実はもう採りつくしたぜ。なあマリ?」
「大丈夫よ。こんなにあるわ。心配することないわよ」
「なんやこれは!」
「この量はいかん!」
「はは。採れる木の実どころか採れない木の実も採り尽くしたようだね」
「おめえらわかる?餌が無いと動物が居なくなるのは当然じゃ」
「冬が明けたばかりなのにこの様では……。畑も耕したばかり。どうやら我々はもうここにはいられません」
「そうか、口の挟みようが無いな。あい分かった! 今すぐ荷物をまとめるのじゃ!」
「君らどうすんの? ついていく?」
「私はついていくわ。他に行く宛もないし」
「あら、私は嫌よ。あの脚の痛みがトラウマなの」
「ファナは炊事だもんね。私は採取で歩き回ったからもう平気だよ」
「私は採取をしていたから嫌! 森を歩く毎日からそろそろ解放されると思ったのに!」
「何言ってるの? 家事を甘く見ないで。洗濯は重労働なのよ。私こそ行きたくない」
「あなたこそ家事を甘く見てるわよ! 水汲みはもっとひどいわ! 少しバランスを崩すとやり直しよ! 荷物を持った方がいいわ!」
「別に」
「あーあ。ブリジットは仕分けばかりしてたわよね。そりゃあ考えも浮かばないわ」
「そういうイリーナはどうなの? 何か言いなさいよ! ねえ!」
「行くわ。小屋を建て直すのが二度手間だからよ」
「私は残る! もうすぐ雨風を凌げるのよ! もう野宿はしたくないわ!」
「私は神のお導きのままに……」

「こんな訳あって、暫し協議が必要よ」
「1週間位問題ないですことよ。木の実は消えないわ」
「呑気やな。俺はこんな奴らと一緒は嫌や」
「全く同感だぜ」
「別にいいよ。俺が小人じゃなければね」
「……。最近眠れなかった……。ずっと……」

こうして小人たちはあれよあれよという間に荷造りを始めました。乙女たちが口論から議論へ移ろうとしている間に彼らは準備を終え、森の奥へと去っていきました。

こうして、白雪姫たちは取り残されたのです。


協議はこの森を離れるかどうかから、この森で今後どうするかに移りました。いいえ、やはり協議にはなりません。小人たちはもう見えません。付いていきたいとした乙女たちの不満は爆発しておりました。

「だから言ったじゃないの! 行った方がいいって!」
「何も言ってないわよ。イリーナが行きたいと言っただけ」
「そういうメリンダだって残った方がいいと言ったわけ? 違うでしょ!」
「どうでもいい」
「ブリジットは相変わらず意見がないんだから!」
「だからどうでもいいという意見よね? え? ケンカが? そうね。そうだったわね……」
「カトリーヌ、私たちが足腰を痛めて集めた木の実の数でも数えない?」
「ええ、ここに全部あるわ。何これ! これは虫食い、これは腐ってる! きれいな木の実はほとんど無いよ!」
「あーらカトリーヌ、このファナ様に蛆虫を茹でさせようとしてたの。いい度胸ね」
「これでは1食もできないわ。だから付いて行った方がいいっていったのに……」
「神よ、我ら迷える小羊たちをお赦しください……」
「木の実が無ければマロングラッセを食べればよろしくてよ。あら、何かしら? 誰かがおいでになりましたわ」

やってきたのはあの看守と、白雪姫たちが被っていたあの黒い麻のショールを纏った人でした。

「よおお嬢さん方! 元気かい?」
「今もまた空元気よ。前よりどうしようもないわ」
「大丈夫さ! 君たちは自由の身だ。歌も歌えるし踊りも出来る」
「その歌と踊りがもうできなくなるのよ……。食べ物が……」
「そのためのこれさ! り・ん・ご」

看守が荷馬車を覆っていた布を拭うと、丸々とした実の数々が天にも昇らん勢いでうず高く積み上げられていました。

「何ということなの! この香り! この色!」
「だろ? 君みたいだよ! 見間違えたなあ!」
「そんな……。ここに来てからぶくぶく太ってみんなに食べ過ぎと非難されてばかりだわ」
「そこがいいさ! 二の腕の間だけだよ! 顔を見なければ別人だ!」
「お主、そんなことを言いなさんな。失礼ですぞ」
「婆ちゃん、これも商売のうちさ」
「ねえ、この方はだあれ?」
「君は……? フランシスカだったな。婆ちゃんは看守をクビになってブラブラしてたら雇ってくれた人だよ! 商魂逞しくて、先を見る力は話題のノストラダムスにも引けを取らない。突然森の道無き道を進もうとしたのにはびっくりしたけど、きっとこれも予知能力が慈愛の道へ俺らを進めたのだろうよ!」
「商売で慈愛? ちゃんちゃらおかしいわね」
「いいや慈愛だ! この色! 香り! 大きさのりんごをなげうって下さるのだから。な、婆ちゃん!」
「そうじゃ、そうじゃとも……。たあんとお食べ」
「欲しいわ! 食べる! 看守さんも生き生きしてるわ!」
「木の実はおろか、栗よりも遥かによろしいこと」
「赦されたどころか、救われたようね。神に」

こうして大量のリンゴは白雪姫たちのものとなりました。日頃満足な食事にありつけなかった乙女たちは無我夢中で丸かじりをし、あっという間に平らげてしまいました。


一方、ここは森の中。

「………………。スー……」
「おい! 寝るなおめえ! 起きろ!!」

白雪姫たちが来てからというもの、小人たちは満足に寝ることさえままなりませんでした。遂にこの時は来てしまったのです。

「困ったなあ。休もうぜ」
「ここは崖の上。転がり落ちては危険です」
「むむ、近くに平らな土地はあるかのう?」
「崖の上を抜けるまであと10マイル少々。誰か一人が連れて戻るしかないよね」
「またあいつらか! しゃあない、俺がいったる」
「一人であの場は別の意味で危険じゃけん。わしも行く」
「そもそも道中ではぐれることはならん! お前ら! 戻るのじゃ!」
「ああねぼすけ君は重いよ。人間の女に比べたら大したことは無いけどね」
「………………」

小人たちが目にしたものは、無秩序に横たわる乙女たちでした。誰一人として息をしている者はいませんでした。遺体の周りに転がるりんごのかす。誰が見ても原因は明らかでした。

散々罵声を浴びせ続けた小人たちもこれにはショックを受けました。彼らは森中の柴を集めてリースを作り、白雪姫たちの頭に載せ、右手にはそれぞれ一輪ずつ紫色の花を持たせました。

途中、一羽のカナリアが現れ、摘まれた花一輪を加えて飛び立っていきました。


丘にそびえ立つ白亜の城――カナリアが向かったのは上層のバルコニーでした。

「ノラ、いつもいい子だ。これは何の花? 見たこと無いな」
「森に咲く花ですよ」
「ばあや、部屋に入る前にはノックをしろとあれほど言ってるだろ?」
「ノックをする場合じゃありません。その花は東の森の民が冠婚葬祭に使うもの。紫色は――未婚の女性を弔う際に使われるのですよ」
「それはただ事では無いな」
「死者の右手に花を握らせ蜜で手のひらを接着すると聞いていますよ。森の民は不必要な物はとりません。鳥がこの花を美しい状態で持ち帰ることなど……」
「一大事だよばあや。高貴なお方か多くの女性が亡くなったに違いない」
「小僧! 話は聞いたぞ!」
「父さん!」
「行ってこい。どのようなお方かをとくとその眼で見据え、丁重に喪に服すがよい!」
「行くよ。パウエル! 急いで!」

王子が到着したのは葬儀が終わりを迎えようとしていた頃でした。王子はそのあまりの数の美しい姿たちに衝撃を受けました。沈痛なる面もちで乙女たちの死を悔やみ、一人一人の人となりについて小人たちに伺っておりました。

「この方はどんな人でしたか?」
「その子は……! 他の娘たちが嫌がって絶対にやらなかった丸太運びや薪割りを手伝ってくれたのじゃ!」
「はじめは骨のような華奢な体つきでどうなるかと思ったけどよ、後には屋根の上まで板を担いで上るようになったぜ」
「体力が保つかと心配でしたので、本来人間は口にしない獣肉を食べさせていました」
「おかげでこんなに逞しくなってしもた。おかんに入城の時仕立ててもろたもんぺが着られへんて、めっちゃ落ち込んでたんや」
「もう清楚な女性にはなれないと悩んでもいたよ。王子様のお眼鏡にはかなわないかもしれないね」
「いや、素晴らしい! この華やかかつ穏やかな顔に均整のとれた体、そして豊満な胸。幼い頃父に連れられて行ったフィレンツェやミラノの絵のようだ。真珠のように出てくるのか、それとも黒い服を着て微笑みを浮かべているのか――」
「死者にそれはいけん! 駄目じゃ!」

あろうことか王子はその白雪姫にキスをしてしまいました。


「……? 生きてる……? 私……」
「驚いたぞ! こんなことがあるのじゃな!」
「人間の言う奇跡ということもでたらめではないね」
「目が覚めた……。俺も……」
「君の名前は?」
「ドミニク・ド・ラ・――いいえ、もうこの家ではないわ。ドミニク・オランジュよ」
「ドミニク、一緒に城に来て欲しい」
「行きたいわ。ただ……」
「ただ?」
「ドミニクじゃなくて、ドミって呼んで」
「わかった。結婚しよう、ドミ!」
「やったぜ! ヒューヒュー!」
「王子さん、そんなことができるんやったら、全員生き返してやったらええのに」
「男女が1人ずつ結ばれる。それが人間世界の掟です。25人など論外、2人ですら無理なことでしょう」
「お二方! 達者でいるのじゃよ!」
「はい、親分さん!」
「他のみんなも! ありがとう!」

こうして、ドミニクこと白雪姫はめでたく王子と結ばれ、山や谷はあれど末永く幸せに暮らしましたとさ。

―完―

あとがき[編集]

本作は、フランスのモンマルトル大学による、現在のパリ2区にあったサロン跡地の発掘調査により1994年に発見された作品です。著者は日本でも文化作品評論家として名高いソレナンテ・エ・ロゲ氏であるという説が有力であります。発見された書簡は炭素年代測定法により、フランス革命期のジロンド派が台頭していた時期に執筆されたものであることが分かっています。

作中の言い回しに種々の方言が使われていることは原文も同様で、当時のヴェルサイユフランス語、他国の王室や貴族一門らそれぞれの独自の語彙、聖職者哲学者らによるラテン語を多用した表現から、パリ市民による今の標準語に近いフランス語やノルマンディーフランドルスイスプロヴァンス地方、そしてコルシカ島といった幾多の方言が使われています。訛りの大小は典型的なものからたった1つの語が異なるもの、語順が標準の文法から1箇所だけ違うものまでに渡ります。実に緻密に構築されており、これらの使い分けから生じる雰囲気や、限られた状況下で発露される登場人物人格萌え属性の再現に訳者が苦心したことは言うまでもありません。

この度は、拙い日本語訳をCreative Commons by-nc-sa 2.5の基準で公開することを快諾して下さったモンマルトル大学関係者諸氏に、心から感謝いたします。

なお、どういう訳か本作は日本各地の小学校学芸会の題材として採用されているようです。この事実イギリスの高級紙タイムズ・オブ・ロンドンでも報じられ、世界の人々に広く知られるところとなりました。おそらく日本の学校における一学級当たりの人数に25人という数がよく合ったものであることや、内容が多様な個性多数決による民主主義成果主義や迫りゆく競争原理に基づくグローバル化といった事象を想起させ、現代社会メッセージを投げかけていることが教育上相応しいと判断されるためでしょう。

もし本作の内容に沿って台本が作られているのなら。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]