UnBooks:白頭山に輝く一等星

出典: へっぽこ実験ウィキ『八百科事典(アンサイクロペディア)』
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時は主体83年、金王国に新たな国王が生まれました。

先代国王の四十九日も終わるので、そろそろ新国王の尊称を考えようとする国王側近たち。

でも、国王の尊称などつけたことがないので、どんな名前がいいかわかりません。

そこで、物知りなおじさん達に尊称を考えてもらうことにしました。

さっそく国王側近はおじさん達をたずねます。 名前から権威がにじみ出てくるようないい尊称を考えてもらいたいと言われたおじさん達、

あるおじさんは「では、主体思想の経文の中に『白頭山に輝く一等星』というのがあるがどうじゃ」と言いました。

「白頭山」とは、金王国の民族聖地 つまり「民族の精気に満ち溢れた聖人」という意味です。

よろこんだ側近が「まだほかにありませんか」と言うと、 別のおじさんは「偉大なる不敗の鋼鉄将軍」というのがあると言いました。

先代国王は抗日パルチザンとして連戦連勝した百戦錬磨の将軍だったので、それにあやかろう」とおじさん。

「いいね。尊いね。まだ他にありますか」とよろこぶ側近。

また別のおじさん、「世界人民の父」というのがあると言います。

「金王国の国教には、偉大なる指導者が世界革命を成し遂げるという予言がある」

よろこんだ側近に「まだほかにありますか」と聞かれ

「抗日の英雄。金王国の不俱戴天の仇である日帝に対抗するので威厳がある」

まだほかにあるかと聞かれ、

「民族の太陽」これは金王国の人間が生きていく上で必要不可欠という意味。

まだほかにと聞かれ、 「革命武力の首位。金王国の根本原理の先軍思想を表している」

まだほかにと聞かれ、 「革命的同志愛の最高化身。金王国の国教には貧富の差を無くすようにという戒律があるから、 それを意識した尊称にしよう」

さらにまだ他にと聞かれ 「不世出の指導者。先代国工の下では影が薄かった過去を払拭できる尊称じゃ」

すっかり気に入った側近、尊称を全部紙に書いてもらいます。

「白頭山に輝く一等星、偉大なる不敗の鋼鉄将軍、世界人民の父、抗日の英雄、民族の太陽、革命武力の首位、革命的同志愛の最高化身、 不世出の指導者」

このなかから一つ気に入った名前をつけなさいと言われた側近ですが、

「全部おめでたいんだからもったいない。みんなつけちゃえ」ということで、世にも長い尊称が生まれました。


こうして、尊称が良かったのか、白頭山に輝く一等星にして偉大なる不敗の鋼鉄将軍、世界人民の父、抗日の英雄、民族の太陽、革命武力の首位、革命的同志愛の最高化身、 不世出の指導者金正日同志

は順調に権力を掌握しました。

白頭山に輝く一等星、偉大なる不敗の鋼鉄将軍、世界人民の父、抗日の英雄、民族の太陽、革命武力の首位、革命的同志愛の最高化身、不世出の指導者金正日同志

の側近も、国王に取り入ろうと決して尊称を省略することなく長い名前を全部言うのが絶対のルールとなりました。


ある日、

白頭山に輝く一等星、偉大なる不敗の鋼鉄将軍、世界人民の父、抗日の英雄、民族の太陽、革命武力の首位、革命的同志愛の最高化身、不世出の指導者金正日同志

は特別列車に乗って地方の現地指導に向かっていました。

ところが、列車の中で

白頭山に輝く一等星、偉大なる不敗の鋼鉄将軍、世界人民の父、抗日の英雄、民族の太陽、革命武力の首位、革命的同志愛の最高化身、不世出の指導者金正日同志

は突然手足のしびれを訴えました。


「大変だ!

白頭山に輝く一等星、偉大なる不敗の鋼鉄将軍、世界人民の父、抗日の英雄、民族の太陽、革命武力の首位、革命的同志愛の最高化身、不世出の指導者金正日同志

が手足のしびれを訴えられた!」と側近の一人。


「何だって!

白頭山に輝く一等星、偉大なる不敗の鋼鉄将軍、世界人民の父、抗日の英雄、民族の太陽、革命武力の首位、革命的同志愛の最高化身、不世出の指導者金正日同志

が手足のしびれを訴えられただと!?それは脳梗塞に違いない!おい軍医!聞いたか!

白頭山に輝く一等星、偉大なる不敗の鋼鉄将軍、世界人民の父、抗日の英雄、民族の太陽、革命武力の首位、革命的同志愛の最高化身、不世出の指導者金正日同志

は脳梗塞の疑いがある!」と別の側近。


「何だって!

白頭山に輝く一等星、偉大なる不敗の鋼鉄将軍、世界人民の父、抗日の英雄、民族の太陽、革命武力の首位、革命的同志愛の最高化身、不世出の指導者金正日同志

が脳梗塞を発症しただって!?」軍医が呼ばれて列車内は騒然とした雰囲気となりました。


大急ぎで駆け付けた軍医が

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を診察して曰く「なんだい、やけにおとなしいじゃねえか」。


すると側近、すすり泣きながら「あんまり名前が長いから、とっくに心臓が止まり亡くなってしまわれた・・・」