UnBooks:桃太郎、大正浪漫と摩天楼

出典: へっぽこ実験ウィキ『八百科事典(アンサイクロペディア)』
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桃太郎6

歩いていると、かなりレトロな雰囲気の町並みが続く。蒸気列車、蒸気スタンド、蒸気・・・蒸気・・・。この街では蒸気機関が命となっている。近頃、世界平和に大いに貢献した空中戦艦の強力な蒸気機関をこの街全体に供給しているのである。戦艦が街に蒸気機関の力を供給できるのか?などという質問は野暮というものである。この戦艦の全長は8000メートル。歩いておよそ1時間30分を要する距離なのである。これだけ馬鹿でかいものを空に飛ばそうなどという発想であれば、エネルギーは莫大な量を要する。

しかし、近頃は謎の悪者が謎のガスを撒き散らし、あらゆる蒸気機関を暴走させるという事件が発生し、過去3度にわたってこの街を救ってきた者達が今もそれに抗っている。

最初はこの集団は7人のある能力を持つものとその能力をフルに生かして動くロボットによって行われてきたが、いつのまにか9人になり、この9人を統率する隊長が外国で仲良くなったさらに5人(その外国でも、やはり大きな戦いをしていた)がこの国に遊びに来たと称して、合計14人での防衛活動となっている。噂ではこの隊長とそれ以外が全員女性。

危険を伴うが非常に稼ぎのある仕事という事で隊長は従わなければ首にする事ができるという、その権限をフルに行使して、かなり他の隊員たちといい遊びをしているという事である。さて、今は悪者たちの破壊活動は停止状態にあり、隊員たちはお祭り騒ぎで遊んでいる。隊長は13人もの女性にもみくちゃにされ、ずいぶんと気分がよさそうである。

この13人をざっと紹介すると、まず一人目は北辰一刀流を極めた剣士で、多少ドジな部分があり、外見的にも人格的にも完璧な人気ナンバーワン。次に薙刀使い、恐ろしい毒舌家で恐ろしく金持ち。プライドがエベレストより高く負けず嫌い。空手家と毎日喧嘩している。次に、拳銃使い、隊長が就任する前まではこの人物が引っ張っていた。今でもその残り香は強く、隊長が手の届かないところでカバーしている。次に能力をそのまま爆発させる年齢10前後の子供、思いっきりガキで特に特筆する事はない。ただし怒らせると誰にも手に負えなくなる。次に発明家、いつも発明品が爆発を起こすのだが、彼女らが駆るロボットはほとんど彼女の手によって整備改造が施されている。そして空手家、文字通りの大女で唯一の男である隊長よりもはるかに怪力を持つ。沖縄から東京まで泳いでくるというとてつもない体力の持ち主。これが初期の6人。

音楽好き、普段は何をしているかわからない音楽好きだがやたらにピアノがうまい。ロボットに乗れば四方八方にレーザーを射出して破壊の限りを尽くす。つぎに参謀、齢14にして参謀的な役割を担う。諜報活動が趣味で隊長が外国での戦いに四苦八苦している時に遊びに来ると称して見事に諜報活動を行い敵に捕まるが救出されて今も戦闘に加わっている。大きなランスで戦う。この2人は上記の6人の助っ人である。

マシンガン使いのシスター、普段からマシンガンを持ち歩いている。強盗犯などの悪者を街で見かけると迷わずマシンガンを掃射した結果、過去2度も警察に捕まっている。また極度のドジでしょっちゅう電柱に頭をぶつけている。つぎに戦斧使い、外国のチームで拳銃使いと同じようにリーダー的存在でしょっちゅう隊長に食って掛かる。13人の中に拳銃使いと斧使いがそろっている今、隊長もかなりタジタジの様子。道化師、といってもサーカスで手品を披露するだけなのだが戦場ではその手品のテクニックで戦う。強盗常習犯、普段は能力を火に変えて使う。また盗賊として超一流の腕を誇り、ギャンブルにもめっぽう強く、悪知恵も良く働く。盗賊であるが故、戦場でも気配を押し殺すどころか実態を消して移動できる。次に弓使い、それだけではなく茶道や花道といったものを極めており、大和撫子の代名詞とされる。以前は剣士がもっとも大和撫子らしいといわれていたが弓使いの出現によって、あっけなくその座を奪われる。以上13名。

今回の戦いが始まって間もなく、マシンガン使いのシスターが遊びに来たのだがそのときに現れた敵にコテンパンにされた。そしてそのときにシスターが外国のチームに出撃命令を出すように発言して半信半疑で隊長が出撃命令を出したところ本当に空から降ってきたのである。そして、そのまま13人になったというわけである。

こうして毎日を過ごし、数日後。ついに敵が動き出したのだが、なんと空中戦艦を謎のガスにやられてしまったのである。この謎のガスは蒸気で動く戦闘ロボにも当然適用され、先の敗北もまさにこれが理由なのである。 ガスを吸った空中戦艦はその悪者の意のままに操られ、空中から次々とミサイルを飛ばしてくる。

「隊長、ここは部隊を二つに分けましょう。戦艦を強襲する部隊が6名、残った隊員で地上の敵を倒すのです。」
「いい判断だ。俺が名前を呼んだ隊員は戦艦乗り込み部隊で俺と一緒に戦う。」

結果、薙刀、発明家、道化師、幼子、シスターの5名が戦艦に乗り込む事になった。 そして作戦は次々と展開していった。戦艦に乗り込んだ部隊が次々と敵を撃破しながら進んでいくとやがて戦艦の中央までやってきた。ついに黒幕との対面である。

桃の刺繍が施された鉢巻、同じく桃の刺繍が施された羽織。そして名乗りを上げてきた。

「我が名は桃太郎!! 拳を極めし者也!!!」

以前見かけたときとはかなり様子が違っていた。そして以前見かけたほうは桃太郎の足元で5体を切り裂かれて肉片と化していた。そして桃太郎が一瞬にして姿を消し、隊長の頭上に現れて強烈なチョップを浴びせた。

通常の兵器が一切効かないという強力な装甲を誇るロボットをいとも簡単に真っ二つに叩き割った。搭乗している隊長も一緒に真っ二つにしてしまった。間もなく、戦艦が墜落し始めた。桃太郎が倒した悪者が無理やり魔力で制御していた為、制御を失った戦艦はもはや落ちるしかなかった。戦艦に乗り込んだメンバーたちはやはり通常兵器では傷一つつかないという頑丈なロボットに乗っている為無事に地上に降り立った。そして桃太郎はというと、すでに着地して敵味方問わず破壊の限りを尽くしていた。すでに剣士、拳銃使い、斧使い、空手家、弓使いが亡き者になっていた。 残っている、盗賊に戦艦乗り込み舞台にいた道化師が隊長の死を知らせた。

「あのバカ隊長…一人でかっこつけて…。」バカとか何とか言いながらも隊長にいい感情を持つ盗賊はただただ取り繕うように怒っていた。間もなく、桃太郎が姿を現し、「そのようなカラクリ、何するものぞ!」隊長の仇、残された隊員達の怒りと悲しみを大いに湛えて、盗賊が目にも留まらぬ速さで桃太郎と距離を詰める。炎による攻撃と爪を使った猛攻で桃太郎を押すのだが、これも桃太郎が放った青黒い光の玉に跡形も無く蒸発し、盗賊のかけていた小さなメガネが砕け、折り曲がって少し離れた場所に落ちていた。

普段はドジの極み、さほどの力が無いシスター。しかし、その真の力は凄まじく、かつて外国部隊が窮地に陥った時、一人で一瞬にして何百という敵を葬り去り、その片方で大破したと言っても過言ではない他のロボットをその力で再生したのである。 その強力な力を全力発揮して桃太郎を攻撃した。赤い閃光が空中を飛びまわり、光の筋として残る。

それは美しく、長く、桃太郎にぶつかっては離れることを繰り返していた。やがて空から鉄板が少しずつ降り注ぐ。徐々に、徐々に、確実に、シスターの駆るロボットが破壊に近づいていく。そして桃太郎がロボットの胸倉をつかむと一瞬にして粉々になったロボットの破片と、全身を打ち砕かれ、首の上が一体何者なのかがわからないほどになっていた。

ただ、赤い服が唯一シスターがそこに生きていた事を物語っていた。 残った6体も当たり前のように破壊し、街を焼き尽くした。最後の最後まで真の修羅にめぐり合えず、桃太郎の旅はまだまだ続く。 次回、ついに最大の修羅にまみえる。