UnBooks:春と変態

出典: へっぽこ実験ウィキ『八百科事典(アンサイクロペディア)』
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肉体のももいろ秘仏から
股間の森は井戸にからまり
のばらのやぶや真昼の路上
いちめんのいちめんの露出狂模様
(深夜の虫の声よりもしげく女性の悲鳴が叫ぶとき)
はだかの喜びまた信念
四月の深夜の路上の闇を
服脱ぎ捨てて 怒張しゆききする
おれはひとりの変態なのだ
(風景はスプレーにゆがみ)
砕ける眼鏡の破片を横に
 暗黒の天の海には
  静謐の風が行き交い
   疾風怒濤 春の熱狂
    くろぐろと光素エーテルを吸ひ
     その暗い脚並からは
      天山の赤き絶望の道具
      (性欲の波と正義の怒張)
      ことばのちしきはうしなはれ
     人混みはちぎれてきみをとおす
    ああかがやきの四月の闇を
   男は燃えてゆききする
  おれはひとりの変態なのだ
  (目当ての獲物が現れ
   そこで脱ぐ変態の鑑)
  日輪青くかげろへば
    変態は活動をしずめ
     陥りくらむ朝のこどもから
      白い街の目覚めが延び
       その人はせわしくしげり
      すべて本能の怒りを
     喪神の森の梢へと
    おとなしくしずまる野獣
    (空はいよいよすみわたり
     ちんこもしんと下に戻るころ)
服地のベージュを肌に戻して
ことなくひとのかたちのもの
かわをまとひおれに従うその得物
ほんたうにおれが見えるのか
隠れしベージュの鎧のそこに
(日中は粛々ふかく)
新たな温床 しづかに近づき
虎はまた青ぞらを目指す
(まことのすがたはここにある
 変態のすがたはよるにある)

あたらしくやつに近づけば
ほの白い肌はちぢまり
(このからだそらのみぢんにはじけろ)
いてふのこずゑまたひかり
ペニス いよいよ黒く
男の火ばなは降りそそぐ