5S

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さあ、みんなで、ゴ・エ・ス!

5S(ごえす)とは整理・整頓・清掃・清潔・躾のことであり、全部Sの音で始まるからまとめて5Sと呼ばれる。日本発の魔法の品質管理手法の一つとして世界中で取り入れられている。

5Sとは[編集]

祝 5S達成

整理・整頓・清掃・清潔・躾が、製造現場で必要である、という話である。「なぁんだそんなこと」と思ったあなた、あなたは正しい。誰しもママに「少しは部屋を片付けたらっ!」と怒られた経験があるであろう。これが5Sである。整理整頓がなされていて、定期的に清掃を行い、そうしていれば清潔であり、それが習慣づけられる、つまりきちんと当人がられていなければならない、ということに他ならない。

実際、この言葉はこんな風に使用される。

  • 「5Sがなっていない!」=散らかっていて汚い
  • 「本日は5Sの日です」=みんなで掃除をする日
  • 「5Sコーナー」=掃除用具ロッカー
「レオン、私に5Sをおしえてくれない?」
5S について、マチルダ
「あいつ、5S」
反教団分子 について、麻原彰晃

古典に現れる5S[編集]

なんか特別大騒ぎするほどのことでもないのに、こんなことが本当に20世紀後半になって初めて言われ始めたのだろうか?

源氏物語につぎのようなくだりがある。源氏が幼い薫の様子を眺めている場面である。

この竹の子の置かれた広蓋のそばへ、何であるともわからぬままで若君は近づいて行き、忙しく手で掻き散らして、その一つには口をあてて見て投げ出したりするのを、院は見ておいでになって、「行儀が悪いね。いけない。あれをどちらへか隠させるといい。(以下略)」
紫式部「源氏物語・横笛」与謝野晶子訳

前節で例に挙げた部屋を片付ける話と似ている。手軽に入手できる文献で調べるだけでも、1000年も昔から人々は5Sを意識していたことがわかる。

整理・整頓のもっとも簡単で効果的な方法は、整理・整頓するものをなくしてしまうことである[1]。これに関して、徒然草には物を持たずに極端に質素に暮らした中国の賢人の故事が記されている(18段)。「これらの人は語りも伝ふべからず(こんないい話を日本人は話題にもしない)」とあきれているのだが、5Sをありがたがっている21世紀の日本を知ったら兼行法師もさぞおどろくであろう。もっとも、21世紀では利益を飽かなく追求する連中が5Sを声高に叫んでいるわけで、清貧を尊んだ兼行法師とは相容れない。

そして何事も極端なのは不自然なわけで、

物かしこげに、(中略)きはぎはしきは、いとうたてこそ覚ゆれ。(才気ばしって、あんまりきっちりかっちり整理されているのはいやな感じがする)
清少納言「枕草子・女のひとり」(引用者訳)

さすが日本の誇る才女の一人、これこそ21世紀でも通じる普遍の真理というものであろう。

現代の5S[編集]

未来の5S

5Sという言い方は1960年代ころから言われたらしいのだが、トヨタ生産方式の中で言われたとか、能率協会が言い始めたとか諸説ある。5Sという言い方が定着した理由には当時の時代の雰囲気が関係している。当時は、次のような冗談 - 「隣の家に囲いができたってね」「へぇー」 - これがアンサイクロペディアトップクラス級に匹敵する最高傑作のユーモアとされていた。整理・整頓に関するSではじまる5つの単語を思いついた者が、歴史にのこる偉業を達成したと考えても不思議はないだろう。もっとも、こんないわゆる「知性的標語」は掃いて捨てるほどあった。「造反有利」などと天安門に貼ってあったのを真似して、この種の他いろいろな標語が工場の壁にたくさん貼り付けてあったということである。現代までかろうじて残っているものに「ホウレンソウ(報告・連絡・相談)」があるが、今となってはセンス悪すぎで、知ってはいても、さすがに使うものはいない。唯一の例外が本項で扱う5Sである[2]

時代についてもうひとつ言えるのは労働時間の長さである。今となってはわからない誰かが5Sという言い方を思いついた時、まさにそのときも奥さんは子供に5Sを叩き込もうとしていたはずだ。しかし、時代は週休1日の時代。平日、家に帰るのも子供や奥さんが寝た後とあっては、家のことなどちっともご存じなかったのである。奥さんが5Sの思い付きを聞けば「それがなんなの?」と言ったことだろう。現在5Sが「日本が誇る品質管理手法」といわれていることを考えれば、その人が奥さんに話をしなくてよかった。

もうひとつ考慮するべきであるのは人の過剰な自意識である。人には自分の思い付きをなんらかの形に残しておきたいと思う傾向がある。会社では部長とか課長とか、長がつけば部下が自分の言うことをもっともらしく聞いてくれるので、自意識の肥大に拍車がかかる。さらに、必ず一人くらい「そのお言葉はぜひポスターにして会社中に周知いたしましょう」などとゴマをするのがでてくる。すると裸の王様はさらに得意になってあっちこっちで吹聴することになるのである。それを聞いた者は、当時のユーモアのセンスもあいまって得意な気分になり、自分なりの独自性をくっつけて、自分の縄張りで拡大再生産する。実際、今でこそ5Sで定着しているが、Sで始まる単語を適当にくっつけて6Sとか7Sと言う例もあった(たとえば、習慣とか、作法とか、しっかりとか、しつこくとか)。笑っていはいけない。某百科事典に「静岡県道17号沼津土肥線」の記事を立てるくらいまじめで、価値のあることであるのは言うまでもない

世界の5S[編集]

オヤジギャグの亜流として、他の標語のように歴史の流れの中に忘れられる運命にあったはずの5Sだが、これが世界に知られるようになり、現在では海外でも通じるプロフェッショナルな産業用語として定着した。今や日本の品質管理手法の重要な要素の一つして、欧米の大学の工学部の講義の中でとりあげられるようにさえなっている。

これは日本の工業製品がその驚異的な品質で世界を席巻したことこと関係がある。例えば、1980年、アメリカのコンサルタント会社アーサー・アンダーセンは、日本車には市場で十分な競争力がある、というレポートを発表した。これにたまげたアメリカ産業界は、真剣に日本の品質管理手法を研究したのである。その結果、5Sなどの用語が世界中のエンジニアの手で整理され「日本式品質管理手法」としてひろまった。とはいえ、ISO9001、TS19649、HACCPなどと同列にいわゆる「日本式品質管理手法」を語られると、とても奇異な感じがする。世界に羽ばたく日本のエンジニアの諸君、君らは、例えば「5S」や「カイゼン」などを別個のものとしてではなく、ある統一された「日本式品質管理法」という枠組みの中で美しく説明する義務がある!

外国語の5S[編集]

前述の通り、5Sは日本語POVで作られた単語であるが、「5S」でどこの国でも概ね通用する。以下、各国語版の5Sの例である。

外国語の5S
日本語 英語 ドイツ語 ロシア語 ポーランド語 オランダ語 ノルウェー語
整理 Sorting Sortiere сортировк selekcja Scheiden Sortere
整頓 Straightening Stelle соблюдение порядк systematyka Schikken Systematisere
清掃 Shining Säubere содержание в чистоте sprzątanie Schoonmaken Skinne
清潔 Standardizing Sauberkeit стандартизация standaryzacja Standaardiseren Standardisere
Sustaining Selbstdisziplin совершенствование samodyscyplina Systematiseren Sikre

苦しい感じはするものの(実はそもそも日本でかなり苦しい意味があててあるのである)、どの言葉もきちんとSで始まる単語に直していることに感心して欲しい(ロシア語のcは、ラテンアルファベットのsにあたる)。だいたい、整理と整頓の意味なんておんなじじゃん、と思わない?さらに、例えば勝手に選んだSで始まる5つの英単語を、おなじくSで始まる日本の単語に直すことの難しさを考えてみれば、これを訳した者こそ真の賞賛に値するであろう。もともとママのお小言にすぎないのだが。

注釈[編集]

  1. ^ この方法は「赤札作戦」という大仰な言い方で知られる。いならなそうなものに赤い札をべたべた貼り付けていくからそういうのである
  2. ^ ただし、英語ならナウいからOKだろうということで、GD3 (ジーディーキューブ/Good Design, Good Discussion, Good Dissectionの意)というような言葉を世に残そうと試みる者がいまだにいる。

関連項目[編集]

Wikipedia
ユーモア欠落症患者のために、ウィキペディア専門家気取りたちが「5S」の項目を執筆しています。