肌で知っている

出典: へっぽこ実験ウィキ『八百科事典(アンサイクロペディア)』
移動: 案内検索

肌で知っている(はだでしっている)とは、2007年9月10日にウィキペディア上で飛び出した珠玉の迷言である。ウィキペディアの重要な方針である「検証可能性」「独自研究は載せない」などと著しく乖離していたが、汎用性、利便性の高さが考慮され、何よりあまりの破壊力が刺激を与えたため瞬く間に伝播した。この発言をしたのが当時管理者権限を保持していたユーザーであったため、木鐸である管理者が言ってるんだから、正しいに違いないと勘違いするユーザーが続発、ウィキペディア上で広く使われるようになり、方針に合致しない削除議論を提起したり、偏頗した編集を行うことを正当化する目的で随所で援用され、ウィキペディアは一時混乱の坩堝と化した。

経緯[編集]

全てはwp:ja:カードゲームという、娯楽、遊戯を取り扱った一つの記事で勃発した。「モバイルウォーズ」と呼ばれる、携帯電話向けのトレーディングカードゲームを分類するか否かで、2007年当時管理者であった某ユーザー(便宜上「N氏」とする)と、別のユーザー(便宜上「M氏」とする)との間で議論が紛糾した。双方の言い分は、N氏はモバイルウォーズは紙のカードが使われていないカードゲームだから分類は不適切である、と主張し、M氏は、紙のカードが使われていなくともカードゲームの定義に合致しており、分類することに問題はない、と主張。議論は平行線を辿り、やがて記事が保護されるに至った。

そして論争の規模が大きくなるに伴い、他のユーザーが介入してきた。論争している一方のN氏はキャリアが長く、コミュニティから信託され管理者権限まで付与されている(一応)ベテランユーザーであり、他方のM氏はアカウント作成から間もなく実績の浅いユーザーであった。第三者達は皆、N氏の意見を支持するかと思われたが、そうではなかった。

N氏の主張は道理に反していて無理筋だ、モバイルウォーズを分類する事は何ら不適切ではない、という意見が大勢を占めていた。そして、N氏とM氏の論争は、N氏と、M氏の意見に同調する第三者達の論争に発展した。M氏の意見に同調するユーザー達は理路整然と、確固たる根拠に立脚した弁論を提示した。相手の立て板に水に弁舌に窮したN氏、正鵠を射た反駁をするのかと思いきや、突如こう言い放った。

この件は私にとっていわゆる“肌で知っている”ことなので、答えは『分かっている』のですが、
その根拠を説明するのが大変なのです。聞かれながら理屈を探って組み立てているような具合ですので、
○○さん(指摘した相手)が「支離滅裂」と思ってしまわれるのはそのせいなのでしょう。
まあ私からすれば『なんでそうなる?』といった感は拭えませんが。 
!?
N氏の発言 について、ウィキペディアン一同

何でも理屈で解決したがるウィキペディアンにとっては、明らかに納得のいかない返答であった。早速、反論の十字砲火が浴びせられた。

  • 結局のところ、憶測で決め付けていただけなのではないか。
  • 「肌で知っている」ことは、第三者を納得させる根拠とは成り得ない。
  • 検証不可能であり、貴方の独自研究ではないか。ウィキペディアンが遵守すべき方針から乖離している。
  • 貴方の肌が出典なのですか?

等々、真摯な意見から嫌がらせじみた揶揄まで、様々な反論が寄せられた。しまいには、貴方の肌が出典だというなら、貴方が自分の皮膚をデジカメで撮影し、それをウィキメディアコモンズにアップして、カードゲームの記事に出典として付加すべきだなどという本気なのかわからない皮肉交じりの要求が寄せられた。N氏は自分の皮膚を撮影してコモンズにアップすることはなかったが、たとえアップしていてもウィキペディアンの大半はこれを出典とみなさなかったであろうことは言うまでもない

結局、議論はグダグダのまま停滞し、さらにN氏が数ヶ月消息を晦ませてしまった事で収束がつかなくなり、カードゲームの記事は長期間にわたって保護されることとなった。カードゲームを編集したい無関係のユーザーにとってはとんだ傍迷惑であった。

波及効果[編集]

多くのウィキペディアンを辟易させたこの珍言だが、議論において汎用性、利便性が高いことが知れると、忽ち普及して随所でウィキペディアンの言葉の武器として使用された。とあるユーザーは「この記事が百科辞典に相応しくない記事であることは肌で知っているので削除が必要だと思います」といって、明確な根拠を提示せずに削除議論を提起し、また別のユーザーは「このユーザーがコミュニティを疲弊させてきたことは肌で知っているのでブロックが必要だと思います」と言ってブロック依頼を提出した。さらにとある管理者にいたっては「このIPアドレスがオープンプロクシであることは肌で知っているので」と言って、オープンプロキシじゃないIPアドレスを塞いだりした。「肌で知っている」はやりたい放題を是認する錦の御旗として濫用され、恣意的な悪行を助長させ、ウィキペディアの治安は悪化した。

しかし、三ヵ月後の2008年1月、元凶とも言うべきN氏が管理者を解任されたことで収束、肌で知っているは淘汰されることとなった。

ところでもう一方の論争相手であったM氏だが、編集姿勢などで他者との協調性のなさを問題視され、2年ブロックとなったが、ブロック明け後に活動を再開したところ、千里眼によって実は長期荒らしのソックパペットであったことが発覚、目出度く無期限ブロックとなった。

関連項目[編集]