発送をもって発表に代えさせていただきます
発送をもって発表に代えさせていただきます(はっそうをもってはっぴょうにかえさせていただきます)とは、主にマスコミを通じて懸賞を行う業者(一部詐欺師もいるらしい)だけにとって便利な言葉である。懸賞に参加する人たちにとっては決して便利な言葉ではない。
概要[編集]
懸賞を実施する場合、当選者の発表を行う必要があるが、そうすると懸賞実施時と発表時で2倍のマスコミ向けの予算が必要になってしまう。
そのため、ほとんどの懸賞では当選者の発表を省略しているのだが、「当選者の発表なんかいたしません」などと露骨に言うと、「こいつ、本当は賞品なんか用意していないんじゃないの?」と疑念をもたれる恐れがあるので、「当選者には賞品を送るんだから発表の代わりになるだろう」という無茶苦茶な理屈を表わすため、「賞品の発送をもって発表に代えさせていただきます」という便利な言葉が考案されたのである。
現状[編集]
現在日本で実施されているほとんどの懸賞は、この便利な言葉を用いて当選者発表を省略している。 しかし、いくら応募しても全然当たらない向きからは、「こいつら、本当に賞品を用意しているのか?」などとの疑惑が後を絶たない。最近ではインターネットで懸賞マニアがウェブサイトやブログなどで自分の戦利品を多数公開するなどしており、懸賞が詐欺かどうかがすぐ分かるようになっているが、確かに高額賞品(自動車や海外旅行など)となるとネットでの自慢話はあまり聞かれないものである。[1]
それでも、よほどの詐欺行為が発覚しない限りは、懸賞マニアたちは、疑いつつも信頼するという矛盾したスタンスで懸賞に応募し続けるという状況が続いていた。 しかし、2010年10月に、エフエム佐賀があろうことかこの信頼関係を見事に裏切ってしまった。 例に漏れず、この便利な言葉を使って懸賞を実施してきたのだが、賞品を長い間発送さえしなかったのである。 結果、関係者は平謝りとなったが、発表しない代わりに発送をするといったにもかかわらず、発送さえしなかったことを発表した以上、本当の意味で懸賞を実施したものの、発表をもって発送に代えた企業となった。[2]
なお、発表を行っているから信頼できるとも限らない。2013年には秋田書店が架空の応募者の名前を発表して実際には賞品を用意していなかったことが発覚している[3]。もう何を信じたらいいのやら。