昇格地獄

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昇格地獄(しょうかくじごく)とは、一般的に財政面や地方自治体からの支援、さらには選手の実力が足りないチームがまかり間違って上のリーグへ昇格した際に発生する、悪夢の1年間の総称である。

概要[編集]

2012年にJリーグ ディヴィジョン2で画期的かつ、大変に分かりやすい地獄への一本道が出来上がる。その名もJ1昇格プレーオフといい、リーグ3位から6位までの4チームを対象としたトーナメント戦を行い勝ち残った1チームのみ昇格できるという、大変に分かりやすい鬼畜の所業である。これは、それまでリーグ3位までを自動的に昇格していたシステムでは大勢の決したリーグ終盤戦、昇格の関与しないチームがどうしても観客数を減らすという話が顕在化していたため、その問題を解決するためと10月以降のリーグ戦により多くのメディアが注目できる試合を増やそうという意図を持って新設されたものである。

その結果、10月以降のJ2の騒ぎはJ1よりも深く濃く熱いという話も出てくるのだから恐ろしい。

そして、導入初年度の2012年には大大逆転で6位の大分トリニータがJ1昇格を果たし、2013年もこれまた最後の最後でリーグ戦4位の徳島ヴォルティスがリーグ終盤戦の勢いを維持したまま昇格。そして、両チームとも見事に、J1の壁にぶちあたることになる。もちろん、壁という言葉は精一杯努力して形容したものであり、実際の内容を正直に言葉にするならば、よくてレイプ。ぶっちゃければ、連続殺人事件である。

この記事では、2015年以降、J1についうっかり昇格するチームに対し、いかにして悲劇を繰り返さないかを念頭に構成する。

前例[編集]

トップリーグにまかり間違って参入してしまった貧乏チーム。こういった悲劇については、世界中で様々な事例が存在している。その中でも、イングランドプレミアリーグに所属していたダービー・カウンティFCの悲劇については、ぜひとも後世の昇格チームが心しておきたい悪鬼のなせる業がことのほか多く、なんとしてでもあの悲劇だけは繰り返してはいけないケースに満ち溢れている。具体的に言うと、強豪チームにとってシーズン前にカモを一羽養殖するような話だらけである。

特に、長期的な展望のないままお金を使って無理やりにチームの強化を行った結果どうなるかという話である。いや、ダービーについてはお金や長期的な計画以外にも、確実にが足りなかった。一番必要だったものが足りなかった。

そのダービーの悲劇をかいつまんで話すと、とりあえず2006年に昇格を決める前の段階で、新たなオーナーを迎え入れることになったダービーは、その年、債務を一気に削減。ようは、新たにスポンサーを獲得し、ガッツリお金を引っ張ってきた結果、借金は削減され有望な選手を数多く獲得し見事にチーム力は向上。最終的に2部リーグで3位に入り4チームで行われる昇格プレーオフに進出。これを勝ち抜いて、見事プレミアリーグに昇格する。その際、およそ60万ポンド、10億円もの多額の収入を得たという話である。けれども、この一見成功に見える事例の影に、数多くの失敗の種が隠れている。

というのも、10億円もの多額の収入というものが、実はプレミアリーグでは1選手の年俸にすぎないはした金でしかなく、そして、悲願のプレミア昇格を果たしたダービー・カウンティも財政基盤で見れば地元出身の金持ち同士の仲間でワイワイやってる程度の弱小チームにすぎず、しかも1年通してほぼ急造チームの状態でようやく最終盤に1つになったレベルであり、そういった財政基盤や選手間の信頼が熟成されていない、さらには契約すらも穴だらけの状態でプレミアリーグに昇格したらどうなるか。

どうなるもなにも、世界有数の有象無象が蠢くジャングルに迷い込む子牛に襲い掛かった現実は以下の通りである。

ダービーの悲劇[編集]

もちろん、ダービー・カウンティの関係者もバカではない。彼らもチームに何が必要であるかを十分に理解しており、昇格直後から何よりもまず必死になって金をかき集めて有望な選手を獲得しようとする。それ自体はまったく問題のない話であるものの、逆にそれまで培ったほとんど失ってしまう。つまるところ、人員整理によって、培われたチームワークと、培った時間が失われ、すなわちチームメイト同士の信頼がすっぽりと失われてしまい、一からチームを作り上げなければならなくなる。しかも、選手だけならいざ知らず、シーズン開始後に監督もひっくるめて再度、再構築に迫られる。しかも、世界一と言われたプレミアリーグで。

結局、昇格直後からそんな穴の開いたチーズよりも穴のあるチームを、イングランドのサッカー界に蠢く彼らが見逃すはずはなかった。その一言に尽きる。実際、ダービーはリーグ戦が始まる前から他のチームによってボロッボロにされまくり、手始めにダービーの主力であるアーセナルFCからレンタルで移籍していたアルトゥーロ・ルポリ選手について、心優しいアーセナルのフロントはイタリアの名門、フィオレンティーナへ送り届ける。トップチームのストライカーがいなくなった段階で相当きついってのに、それに加えて他の選手もがっつりと移籍。何よりも悲しいのが、それがダービーのためであるとフロントも監督も考えていたということが重くのしかかる。結局、その後になって大はずれも大はずれ、どうしてここまで連続して間違えられるのか、というぐらいやることなすこと悲劇へと向かってしまうのが、昇格地獄の恐ろしさである。

そしてダービーはリーグ戦開始から3ヶ月で、まったく勝利できなかった監督のビリー・ディヴィスを、ダービーのライバルチームであるノッティンガム・フォレストFCに放出。この段階でほぼ終了。ほぼ?違うな、確実、だな。

怖い選手がいなくなり、チームを昇格に導いた監督をよりにもよってライバルチームに追いやり、そしてフロントが引っ張ってくる戦力が役立たない。そもそも、他のチームとのあまりの戦力差とあまりのチーム方針のブレに、もはや降格が免れなかったら奇跡レベルであることは間違いないのだけれども、さらにさらに、そんな不安定なチームに、心優しいプレミアリーグの各チームが、才能ある若手やダービーが欲してやまぬDF陣を続々と送り込むのだから実にまったく恐ろしい。ジャマイカ代表のクロード・デイヴィスタイロン・ミアーズといった期待の若手にアンディ・トッドアラン・スタッブスといった一流チームでの出場経験を持つ選手がずらりと名をそろえた結果、ダービーの守備は再び一から構築することになり、他のチームはチームの方向性から外れていた選手を無難に押し付けることに成功。

なんて見事な経営でしょう。

そして、チームワークがないDF陣が後半戦でいきなり目覚めるはずもなく、ダービーの守備はリーグ最終戦まで崩壊しっぱなし。とりあえず、プレミアリーグで一からチームを作り直させるよう、優しい強豪チームがそれとなくチーム関係者に働きかけるなどという悪夢を考えれば、J2昇格プレーオフはまだ笑っていられる。十分、ろくでもない話が満載だけれども。

最終的にダービーは様々な負の記録でイングランドのプレミアリーグの歴史に名を留めることになる。2007年-08年シーズンにわずか1勝しかできず、1勝8分29敗(20得点89失点)の勝ち点11というぶっちぎりのプレミア記録を樹立し、6試合を残して降格。それ以上に、イングランドのほか世界中のサッカーファンにダービーという名を刻み込んでしまう。

けれど、何がすごいって、こんな悲劇を屁とも思っていないダービーファンが確実に存在するというのが恐ろしい。

あわせて、ではJリーグではどうだかというと。

2013年の大分トリニータ[編集]

2012年に悲願のJ1復帰を果たした大分トリニータにまず何が起こったか。とりあえず、前年度チーム内得点王であったMF三平和司選手とDFとして39試合に出場した石神直哉選手が、レンタル終了で退団し湘南ベルマーレへ復帰したことから始めないといけない。

まぁ、始めるもなにも、この段階でほぼ終わっている件についてはその通りである。基本、J1に昇格したチームを支えたレンタル選手を心優しく残留させてくれるJチームなんてものは、普通は存在しない。当然、普通じゃないチームも存在するけれども、あそこは選手の育成に特化した結果であり、普通はあそこまで割り切れない。

そんな開幕前の段階で頭がいたいチーム状況を打開しようと大分関係者が動かないわけがないのだけれども、残念なことに大分には1つの大きな特色があり、自分の実力を見知っているJ1の選手だからこそ、移籍をためらう話がそこにあった。無論、お金の話は当然として、スタジアムの芝や借金問題といった外部のゴタゴタもさることながら、結局は若手もベテランも、大分で活躍できるかどうかちょっとためらってしまう現状がそこにあった。というのも、大分の特色であり、2012年の昇格を勝ち取る原動力となった3バックのシステムは、Jリーグの基本である4バックよりもクセが強く、選手がなじむまで時間がかかる上、さらにきつい話として、ちょうどそのころ、J1ではサンフレッチェ広島浦和レッズが3バックで無双していたため、他のチームでも急速に3バック対策が本格化していた。

そんな中、急造に近い3バックのチームがどうやって結果を残せるかを考えると、イロイロと色々と足りないものが見えてくるわけで。それ以上に、基本、J2で6位だったチームである。そういった、開幕前からの不安をかき消すために必要な何かを、残念ながらトリニータでは開幕までにそろえることができなかった。そらあ、選手たちが入団したいと思わせる何かがなければ、入団させるのも難しいわなあ。結局、トリニータはJ1をほぼJ2で6位のチーム状況のまま戦うはめになり、その結果、チーム経営に大打撃を与える年間2勝という負の記録を打ち立てる。

なんにせよ、開幕後の段階で他のチームの3バック対策が浸透していた状況の中、大分トリニータのできることがほとんどなかった。いや、あるはずだったんだけれども、さすがにあそこまでボコボコにされ続ける中、あがき続けるのも大変なわけで。あわせて、ああいう状況の中、平気の平左で動けるのが大宮アルディージャ

2014年の徳島ヴォルティス[編集]

2014年のカマタマーレ讃岐[編集]

この項目については書かなくてよくなる可能性もあります

2014年12月7日、悪夢の入れ替え戦に望んだカマタマーレは、最後の最後でJ3で2位のAC長野パルセイロをうっちゃることに成功。J2初年度を7勝23敗12分で勝ち点33、得失点差-37(得点34、失点71)というまさにフルボッコ、最終的に21位で残留することになる。

な、地獄だろ。

けど、こういった経験をファンとフロントと関係者が積み重ねていくことで、よりサッカーチームらしくなることも確かである。なお、選手と監督は記憶と記録だけ残して過ぎ去るものである。

何が必要だったか[編集]

こういった昇格地獄における数々の悲劇を乗り越えるために何が必要であるか。

ぶっちゃけ、幸運とお金であることは間違いないのだけれども、それだけでは厳しいことも確かである。それ以外の何かについては、サガン鳥栖アルビレックス新潟が参考になる。

まず、サガン鳥栖のように、レンタル移籍で加入した豊田陽平選手をチーム一丸となってレンタル元である京都サンガから引き抜き、破格の待遇で迎え入れた結果、選手のモチベーションもアップ。開幕前に終了という空気を打破したことが、2012年の躍進につながる。無論、サガン一筋のカリスマ、尹晶煥監督の存在と、J1屈指のハードなトレーニング、そして安くても動けてなおかつ怪我をしない選手を最大限に動かす戦術が機能しまくった点も大きい。このように、開幕前に、戦力を落とすような話をいかにして防ぐかが、今後、昇格するチームにとって不可欠となる。なってほしい。

で、もう1つの残留名人アルビレックスについては、きょーーーーーれつなツテの存在が、J1昇格と残留を支え続けたことが確かである。そうです。ブラジルからの助っ人の存在です。実際、アルビレックスの素晴らしい助っ人の多くが、長年にわたって培ったブラジル人関係者からのツテをたどっての入団である。とくに、元セレソンで2014年現在、ブラジルの様々なクラブチームでコーチを務めるアンデルソン・リマ・ベイガ氏については、マルシオ・リシャルデス選手、レオ・シルバ選手といったJリーグの歴史に名を残す名選手を得るための後押しをしてくれたことでも有名である。そして、彼のような知己を得たことで、無名かつとんでもない実力を持つ選手達を呼び込むルートが整備され、新潟のJ1残留を支え続けていく。

そういった、開幕前のモチベーションの維持やシステムの崩壊を防ぐ契約を結べる信頼、さらには助っ人を得るためのツテなど、他のチームにない何かを得られるかどうかが、J1残留の鍵となる。幸運や、お金以外の鍵となる。

つまり、今後、J2からあがってくる多くの弱小かつ貧乏チームの関係者がまず何をしなければいけないかというと、より頭を使い、より足を使って他のチームを出し抜く戦略と、何よりも人間関係の整備が求められる。

けど、こっちのほうが重要だったりする[編集]

こういった話とは別の話。むしろ、こっちほうがより重要かもしれない。

結局のところ、弱いという話は仕方ないことである。弱ければ、負け続ければ観客は減少し、予算も減り、そして地域からのバックアップも減っていき、いつの間にかJ2の常連となり、チーム解体の危機までささやかれることになる。そんな話は、誰も考えたくないけれども当たり前の話である。

そのため、いかにして敗北からチームを守るという戦略が、必要不可欠なんだけれども、絶対に気づいていないチームが毎年出てくるのはしょうがない。むしろ、地元のバックアップの無い、特にスポーツ専門の怪我をケアできる医療機関と提携を結んでいないクラブについては、選手の怪我であっという間に堕ちていく。もちろん提携するためには、地元企業との積極的な交流やチーム内での意識向上も不可欠であり、何よりも、地元の報道機関や情報産業との連携が必須となる。

そのため、J1に昇格した後、たとえシーズンを通してボッコボコにされたとしても、その間どれぐらい地元に恩返しできるか、連携を強めていけるか、信頼を勝ち取れるかが、次のJ1昇格に向けた鍵となる。特に、川崎フロンターレのように、1度J1に昇格したものの、クラブ内のゴタゴタで降格したチームが失敗を繰り返さず強くなっていく過程は、昇格地獄こそがチームが生まれ変わるきっかけであることを示唆している。実際、フロンターレは監督の変遷によるチーム力の降下を反面教師とし、J2降格後に今度は石崎信弘監督による長期政権で徐々にチーム力を向上させることを選択。即座のJ1復帰ではなく、失敗を糧にしたさらなる成長を選ぶ。そして、不安定な財政基盤にメスを入れ、改善のために地元企業との結びつきをより強固なものとしていき様々な企画を発案。地元民から絶大な支持を取り付けることに成功し、最終的に降格したときよりもさらに多くのファンを獲得する。そして、J2屈指の戦力を保有した後、J1屈指の強豪、鹿島アントラーズのコーチだった関塚隆氏を監督として招聘、2004年にJ2記録となる勝ち点105、得点104という圧倒的な優勝をしてからはもう、実力的にも人気面でもJ1でもトップクラスの強豪になる。

本当に、長期的な展望というものは大事である。

そんないい見本が存在している以上、たとえ今、敗北を積み重ねたとしても、チーム関係者の経験を蓄積させていくほうが大事である。特に、小学生や中学生といった精神的にもろいファンを敗北のトラウマから守るのと同時に、ファンの中に、敗北に関する耐性を育てていくことが重要になる。なんせ、敗北について内容を分析できるファンと、悪態だけ残して消えていくファンの差がJ1初年度についてはとんでもなく大きい。とてつもなく大きい。特に、その翌年以降のチームの空気において。

とりあえず、J1連敗中に、どんな未来を描けるか。3年後の昇格に向けて動けるかどうかが、翌年以降に重くのしかかる。

なお[編集]

ちなみに、弱小チームにとっては昇格した後も地獄なら、降格した後も地獄。そして、残留した後も地獄である。

貧乏というものは、そういうものである。

昇格地獄をさまよう関係者におくる格言集(適当)[編集]

ファンとはそういう生き物である。
にわかファンとは特にそういう生き物である。
世知辛い金が支配する情報産業の中で、ラジオは最高のメディアです。
地元のミニコミ誌にいたっては神様にほかなりません。
継続して情報を出せる媒体はチームの未来を担っている。
移籍とはフロント同士による殺し合いの総称である。
貧乏なチームにとっての移籍シーズンとは、戦争期間に他ならない。
シーズンを通して活躍する選手は素晴らしい。けれども、シーズンを通して活躍させるフィジカルコーチとトレーナーはもっともっと素晴らしい。
レギュラーを4人以上トレーニング中に負傷させるようなJ1チームはあってはならない。おもっくそあるけれど。
来年度に向けた戦いをシーズン終了後に始めるのが三流。夏の移籍の際に始めるのが二流。
シーズン開始前に翌シーズンの契約等に関する取り決めをしておくのが普通。
なお、契約交渉能力が一流なチームは総じて貧乏ではない。
ユース環境は大事である。たとえ昇格できなかったとしても、1人の子供の家族親戚同級生その他をファンにする機関として大変に重要である。
地元の小学生200人とは、20年後、配偶者とその親族及び子供たちを含めてファン1000人に膨れ上がる逸材である。
悪い例からいっぱい学ぶことが大事。
悪い例に含まれたなら、なんとしてでもそのイメージを払拭することが大事。
もはや手遅れとか言うな、お願いだから。
フロントの質=チームの成長力
フロントの質=チームの情報発信力。
すなわち、チームの成長力=チームの情報発信力。
レンタル移籍とは、自チームの育成能力を知らしめる大変に素晴らしいカタログである。
そして、出場機会を与えることを若手に伝える画期的な看板でもある。
なおかつ、チームの構想から外れていることを大々的に示す値札である。
中心選手の流出を防げない貧乏はつらい。
けど、それ以上に、いずれ中心選手がいなくなることをファンに納得させておかないフロントの能力はつらい。
代理人との信頼は大事であるけれど、チーム独自のツテはもっと大事である。
そして、代理人に負けない口八丁手八丁を身につけることはもっとも大事である。
貧乏が悪いんじゃない。貧乏になることを予測して対策をたてなかった過去の自分が悪い。
望外な臨時収入とは、チーム関係者を惑わせる悪魔の仕業に相違ない。

関連項目[編集]

Wikipedia
ウィキペディア専門家気取りたちも「昇格地獄」については執筆を躊躇しています。そのような快挙を手際よくやりおおせたことは、我らの誇りです。