対人恐怖症

出典: へっぽこ実験ウィキ『八百科事典(アンサイクロペディア)』
移動: 案内検索
Torishirabesithu.jpg

あなた対人恐怖症(たいじんきょうふしょう)って、何ですか?」

ぼく「たっ、たっ、たたた対人恐怖症って、い、いい言うのは…その、その・・・えー・・・」(やばいやばいやばいやばいっっっ!)

心の中[編集]

落ち着け、落ち着け、お ち つ け ぼ く 。単にこのあなたさんはぼくに対人恐怖症について訊いてるだけなんだ。対人恐怖症ならぼくは良く知ってるはずだ。子どものころにママに病院に連れられて、お医者さんから「あー、お子さんはいわゆる対人恐怖症ですね」って言われてから、ぼくはずっと両親から対人恐怖症だと言われ続けてきたんだ。そう、ぼくはずっと前から他人が怖いんだ。

ぼくは何よりも人が怖い。家族とか、ママ・パパは怖くないんだけど、知らない人が怖い。知らない人って言うのは得体の知れない怪物みたいなもので、ぼくにとって他人はどんな些細なことでも一回失敗したらそれにつけこんできてぼくを傷つけようとする、恐ろしい存在なんだ。周りの人はぼくに気軽に話しかけてくるみたいだけど、ぼくはそれが嫌だ。そんな、ぼくのおかしな所をいつも粗捜しする怪物なんかと話したくないんだ。ぼくを知らない人は必ず、ぼくのアクセントが変だとか、視線がまっすぐこっちを向いていないとか言って、ぼくをおとしめるんだ。ぼくの見える場所でそう言わなくても、あとでママとか近所の人に言いふらすに違いない。「あそこの奥さんのお子さんはちょっと変な感じがする息子さんよ」とか言って、ぼくの評判を落とそうとするんだ。他人はみんなそうだ。

いやいやいや、とにかく話を戻そう。この人はぼくに対人恐怖症について聞いてきている。ぼくはその質問に対して、なんて答えればいいんだろう?「対人恐怖症はこころの病気ですよ」って言えばいいのかな?でも、これって病気じゃないよね。病気っていうのはもっと、病院とかで脚とか腕に包帯を巻いてるような、そういう人たちが使う言葉なんだ。それに対してぼくは単にこころの中に問題があると言われているだけだ。病院にいるみたいな、骨が折れちゃったり手術が必要な人たちとはレベルが違うんだ。ぼくは病気なんかじゃない。ただちょっと内向的で、ひきこもりがちなだけなんだ。ぼくはあくまで普通の人間だ。

現実[編集]

ぼく「えっと、えっと、その・・・対人恐怖症は、うーんと」

あなた「何なんですか?落ち着いてください」

ぼく「!!!!!」

再び、心の中[編集]

どうしよう!あなたさんに不審がられちゃった!変に思われたくないのに、不審がられるなんて!これだから知らない人と話すのは嫌なんだ!

そもそもぼくは他人に見られることすら嫌だ。ぼくを見た人は必ず、「変わったお子さんね」とか言うんだ。女の子なんて特にそうだ。ズバズバとした物言いで「え、何で答えられないの?大したこと聞いてないよ?」「なんでどもるの?馬鹿なの?早く答えればいいじゃん」とか言うんだ!ぼくには耐えられない!ぼくは普通の人間なんだ。ただちょっと変わってるだけなんだ。そんな、大した違いじゃなんだよ。ぼくは普通の人間だから、そんな注目されたくないんだって。普通に過ごしたいだけなのに、なんでそんな周りの人はぼくばっかり見るんだよ…。そんな、そんな他の人に見られたらぼくは疲れちゃうんだ。気疲れして、もう家に帰りたくなっちゃうんだ。ぼくはもう家から出ないで、学校にも通わないで、そのまま一生ひきこもりかも。でもそれでもいい。だって、本当に疲れるんだ。こんなに外に出るのが疲れるなら一生家にひきこもってた方がずっと楽だもの。

ああ、もういやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだ!!!!

待て、待て、待て待て待て。ここで自暴自棄になったら変な人だと思われちゃう。あくまで顔に出さないように、なんとか平静を装って質問に応えて、この場から逃げよう。そしたらこんな他人と話す苦行から解放される。とにかくここはうまくあなたさんの質問に答えることを考えなきゃ。そうだ、なんて答えよう。えっと、えっと…。

現実[編集]

ぼく「そ、その、びょ、びょ、病気?って言えばいいのかな、その、その、うんまあ病気」

あなた「あ、そうなの。ところで君面白いね。その服とかwww」

ぼく「!!!!!」

再び、心の中[編集]

なんなんだよ!もう!変な人だと思われたくないのに!変な人だと思われたくないから、頑張って答えたのに!他人から理解されないぐらいにものすごく頑張って、自分でも分かるくらいにどもりながら変な人だと思われたくない一心で答えたのに「君面白いねwww」だってさ!それに「その服面白いね」?やめてよ!話を終わらせたいのに、また次の話題に持っていかないでよ!話が終わんないじゃん!早くお家に帰って一人でゆっくりしたいのに!これだよ!これがあるから他人と話すのは嫌なんだよ!なんでこんな報われないんだ!

それに、それに!こっちがこんだけ力を振り絞った返事に対して「あ、そうなの」って何なの!?こっちがどれだけ苦労しているか知らないからそんな気軽に答えられるんだよ。いいなあ、あなたさんは気楽で!こっちはただ普通に受け答えをするだけで大変なんだ。周りの人はみんな、みんなそれを理解してない。いいよ、ぼくはどうせ誰からも理解されない存在なんだ。誰からも理解されないならぼくは一人で家にひきこもってる方が楽だし、周りの人にも迷惑をかけずに済むだろう。そうだ。そうすべきなんだ。ぼくはひきこもるべきなんだ!

うう、嫌だ。もういやだ。こんな、こんないきなりよく知らない大病院に連れて来られて、何にもない尋問室みたいところでぼくとあなたさんの二人だけで話をさせられるなんて!なんでぼくはこんなことしてるんだ。嫌だ。もう家に帰ろう。あのドアを開けたらきっと家に帰れる!そうだ!あのドアを閉める時、鍵を掛ける音はしなかった。あのドアの鍵はかかってないはずだ。あそこを開けて、ママを探して家に帰ろう。

現実[編集]

ぼく「・・・。」(黙って立ち上がる)

あなた「うん?帰っちゃうの?」

ぼく「・・・。」(黙ってドアから出て行く)

あなた(出て行った後)「・・・そうか。先生に連絡しないとな。っと・・・あ、もしもし。先生。やはり、あの子は駄目だったようです」

隣室にて[編集]

先生「ああ。こちらも監視カメラで確認している。ご苦労。・・・お母さん、残念ながらあの子は間違いなく対人恐怖症です。軽度の自閉症の傾向もあるようですが」

「やっぱり…。こんなこと、させたくなかったんですが」

先生「最近はこの様にして確かめるのです。まず対人恐怖症の疑いのある患者さんと、その患者さんが知らない人を同じ尋問室に入れる。そこで知らない人からあえて無礼な受け答えをさせ、その反応を観察することで恐怖症の度合いを測ります。まあ、ここでは知らない人、すなわちあなたさんというのは私の助手が演じているんですけどね」

「でも、こんなことをさせたらあの子の対人恐怖症が悪化しませんか?」

先生「その件については前にも言ったはずですよ、お母さん。これは知らない人と話すというリハビリも兼ねているのです。大丈夫です、お子さんは必ず良くなります。とりあえずは入院ですね。数時間ほど様子を見て、落ち着いていたら明日もやりましょう・・・」

関連事項[編集]

Wikipedia
ユーモア欠落症患者のために、ウィキペディア専門家気取りたちが「対人恐怖症」の項目を執筆しています。