全会一致

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全会一致(ぜんかいいっち)とは、複数名で行われる会議において、最終的に反対論者が1人もいなくなった状態になり、採決時点で全員が賛成した(あるいは全員が同一の案に対して賛同票を投じた)状態のことである[1]

概説[編集]

インターネット会議の様子。いわゆる“水面下のやりとり”を、会議と同時に進め、容易に全会一致を達成することができる画期的なシステムとして注目されている。

複数の人間が、ある議題(テーマ)について話し合う(議論する)際には、必ず何らかの意見の対立が発生する。この際に、参加者間で意見の統一を図る必要がある場合は、互いに何らかの擦り合わせや妥協などをしなければならない。同一の意見を有する者が始めから過半数を占めていれば、多数決によって押し切ってしまうのが一般的だが、しかしそのような採決をしてしまっては、その集団がその後も存続する場合、後々まで禍根を残すことになりかねない。更には、少数派側による何らかの多数派工作が水面下で行われ、同一の議題が再度提起されて逆転される惧れもある。

このような事態を防ぐために、議論に参加している誰もが目指すのが「全会一致」である。即ち、

「賛成x人、反対y人。x>yにより、本案は可決された。」

…とするのではなく、

「賛成z人、反対0人。反対者皆無のため、本案は全会一致で可決された。」

…という記録を残すことにより、その後の再提起や反乱などを未然に防ぐことができるのだ。

従って、会議の参加者の全ては、この全会一致を目指して、会議中かそうでないかを問わず、あらゆる行動を取ることになる。

主な手法[編集]

全会一致を達成するためには、様々な手法がある。ここでは、そのうち代表的なものについてのみ記述する。

切得
会議中に、反対者を取り囲んで脅迫説得を試みる様子。全会一致を達成するために重要な手法の一つである。
「せっとく」と読む(「切得工作」(せっとくこうさく)とも呼ばれる)。いわゆる会議四要素(提案・討議・採決・記録)のうちの「討議」は、実質的には相手方を「切得」することと同義である。
会議中には、「相手の意見の矛盾点を指摘する」「相手の意見より自分の意見が優れていることを示す」などのオーソドックスな方法や、「議題と無関係な相手の短所を指摘する」「相手が怒るような言葉遣いをする」など、相手を怒らせた上でわざと暴力を振るわせて、相手を退場に追い込む方法などが多く用いられる。また、「わざと自らが矮小な存在であるかのように見せかけ、相手が自分を一方的にいじめているかのように演出し、場の空気を相手への非難の視線で埋め尽くす」などのように、相手が自ら提案を取り下げるような高度な技術を有する者も稀に見られる。
会議中以外の時間においては、会議を離れての雑談を装って相手に近づき、自案と相手の案との相違点を確認しながら、さりげなく相手が自信を無くすように仕向けることもできる。この手法は、会議開始前よりも、会議の休憩中に用いられることが多い。また、元々休憩が予定されていない会議においても、自分が不利な方向に傾いた場合に、排泄や水分補給などを理由として休憩を要求して、この工作を行うための時間を確保することもできる。勿論、休憩中に相手の飲み物に下剤などを混入させておき、相手を物理的に会議に復帰できなくするなどの方法も有効である。
更に、金銭に余裕がある場合には、相手に賄賂を渡して買収したり、あるいは超能力者を雇って相手を洗脳するなどの手法も取ることができる。しかし、これらは成功率がそれほど高くないため、あまり現実的なものとは言えないだろう。
このように、相手の意見を封殺する行為全般を、「相手を切って得をする」ということから「切得」と呼ぶ。(なお、一部で用いられている「説得」という表記は元々は誤記であるが、現在では、「切得」のうち特に言説のみによって相手を封殺する手法について、区別して「説得」と呼ばれることもある。)
代議員制
ある国の議会での、代議員による投票風景。「反対」って、そんなに大きく書かなくてもわかるのに…。
構成員が数名~数十名程度の団体における会議であれば、大概は上記の切得工作のみで片が付くが、構成員が多ければ多いほど、切得の成果としての全会一致の達成は困難となる。このような場合に用いられるのが、代議員制である。
全会一致を実現するための最終プロセスは採決(投票)であるが、この採決に参加するための資格に制限を設けて、一定の資格を有していなければ採決に参加できないようにすることができる。会議に先立って、予め根回しをしておき、特定の案の賛成者しか採決に参加できないような参加資格(採決権)を考案・策定しておくことで、例え採決権を持たないものによってどのような意見が出ようとも、必ず「全会一致での可決」で会議の終了を迎えることができるのだ。
勿論、採決権策定の段階で造反者が紛れ込んでいれば、これを防ぐことは難しい(国権の最高機関の最大政党においてさえしばしば造反者が出るのを、皆さんもご存知だろう)が、しかしそれでも、後日造反者のみを除去することによって、その後の反乱を防ぐことができるというメリットがあるため、この方法は広く用いられている。
もしもあなたが参加している団体において、あなたが採決に参加できないような採決権が定められていたら、それは採決権策定者たちによる全会一致へのプロセスの一部であると捉えたほうが良いだろう。あなたはまず、自らが採決権を得るための行動から始めなければならない。
除去
除去するか、除去されるか。
会議の参加者数に比して、反対者が元々あまり多くない場合に用いられる。勿論、多数決で押し切ることによって会議を終わらせることは可能だが、全会一致を目指すためには、反対者の全員を除去してしまうことが望ましいためである。上記の切得や代議員制などに比べて、事前の準備や、言語的コミュニケーション能力などが少なくて済むため、全体の知的レヴェルが低い集団においてよく用いられる。
除去の方法は様々である。切得とも重なるが、相手の体調を崩させて退席させる手法なども除去の一種である。また、会議の場をジャミングなどによって携帯電話が使用できないようにしておき、会議中に「○○さん、ご家族から緊急のお電話が…」などと反対者を呼び出させて退席させ、その間に採決を行うなどの方法もある。もし、会議参加者以外に協力を求めることができるならば、会議開始時刻に合わせて、反対者の自宅に火を放つのも良いだろう。
反対者の正確な人数や名前などが事前に把握できない場合は、会議場に拳銃などを持ち込んでおくのも良い。反対意見を述べた者の眉間や左胸などに、次々と鉛弾を高速で打ち込むことで、その者の意見を封殺することができるほか、他の者が反対意見を述べるのを抑止する効果もある。更に、採決の段階になって反対者が表れた場合のための用心に、採決は挙手によって行わせるのが良い。これにより、標的が一目瞭然になるからである。
除去仄めかし
既になんらかの権力を持っている側が信任投票を行う場合などに使われる手法である。選挙や国民投票を行う際、「賛成の者はここの投票箱に、反対の者は階段を上がったところにあるあの投票箱に投じるように」と言って投票用紙を渡したりする。思想警察憲兵が立ち会えば効果は大きい。反対票を投じると自らが物理法則に反した死に方をする危険を感じるため、止む無く賛成票を投じざるを得なくなる。実際に東欧や中東諸国で行われていたテクニックであり、監視員さえ用意すれば簡単に実現可能という特徴がある。
独裁国家でなくても、事前に感動的・扇情的かつ同情を誘う演説を行っておけば、反対者=非情な者扱いされる危険があり、最悪の場合、社会的に抹消される恐れがあることから、反対しづらくすることができる。アメリカ同時多発テロ後の報復戦争の是非を決するアメリカ議会ではこの手法による全会一致を狙ったが、惜しくも1人の空気を読まない議員がいたために達成されなかった。
除去を仄めかすことで除去の実行を未然に回避する手法という意味では、除去の一形態と捉えることもできる。
改鼠
ここまで述べたような方法を駆使しても全会一致が達成できないと思われる場合、一般的には「改鼠」と呼ばれる方法がとられる。特に、採決が投票(文字通り、紙や木などでできた票を、箱の中に投じること)によって行われる場合に有効である。
まず、投票箱を“賛成票用”と“反対票用”に分けておく。次に、反対票用のほうの箱の中に、ネズミを入れておく(鳴き声で発覚しないよう、予めネズミの声帯は除去しておくことが望ましい)。これにより、反対票の箱に投じられた投票用紙は、ネズミによって齧(かじ)られて判読不能となるため、反対を0票扱いにすることができる。
ネズミが用意できない場合は、リスでも何でも良いし、あるいは紙を溶かすような薬品で箱を満たしておくのも良い(これらの手法はそれぞれ「改栗鼠」「改薬」と呼ばれる)[2]

エクストリーム・全会一致[編集]

全会一致は、その不可能性故に、エクストリームスポーツ実行委員会(以下、単に「実行委員会」という)によってエクストリームスポーツに認定されている。しかし、他のエクストリームスポーツと同様に、競技開始前(この場合は会議が始まる前)の申請が必要なことと、そもそも成功が困難であることの2点により、競技人口は極めて少ない。

参加資格や競技方法・ルール等は、次のとおりである。

参加資格[編集]

  1. 会議に参加し、採決権のある者(採決権所持者)の人数が10名以上であること。(上限なし。)
    全会一致という概念そのものは、2名以上が参加する会議において用いられるものであるが、エクストリームスポーツにとって必須の要素のとひつである“不可能性”を高めるために、人数に下限が設けられている。また、高得点を獲得するためには、人数がなるべく多いほうが望ましい。
    除去や代議員制採用などの手段により、採決権所持者の人数が10名を下回った場合には、競技中でも失格となる。改鼠などにより、投票総数が10票を下回った場合も同様である。
    競技の性質上、テレビ電話やインターネットなどを用いた会議による参加は認められない。参加者全員が、屋内の1部屋の会議場のなかで、直接顔を合わせる会議のみが、本競技の対象となる。
  2. 開始から24時間以内に終了すること。
    長期戦により相手の疲弊を狙うことも、全会一致を達するためによく用いられる手法のひとつである。が、やはり不可能性を高めるためと、会議場に派遣されるエクストリームスポーツ実行委員会の認定員の負担軽減のために、上限が定められている。
    この「24時間」には、会議開始後の休憩は含まれるが、会議開始前の切得工作などの時間は含まれない。従って、開始前にどこまで会議の流れを決定付けておけるかが勝負の分かれ目となる。
  3. 会議開始時点で、反対者が、総参加者数の40%を超えていること。
    やはり不可能性を高めるための規定である。会議参加者は、その全員が、議題に対しての賛否を、実行委員会に対して予め封書によって提出する必要がある。また、競技としての性格を明確にするため、採決は「賛成」か「反対」の2択になり、その他の選択肢は一切認められない。
  4. 議題が、その団体にとって極めて重要なものであること
    この競技において、不可能性を高めるために最も重要な規定である。実行委員会においても、参加申請を受け付けた際には、この議題がどれほど重要なものであるかが厳密に審査される。数年以上の歴史をもつ団体の解散動議や、団体そのものの意義を根底から変更するような規約や行動指針の変更などがこれにあたる。
    具体的な例を挙げると、たとえば国連安全保障理事会であれば、安全保障理事会そのものの解散や、常任理事国の大幅な変更、核拡散防止条約(NPT)の廃止などがこれにあたる。或いは、ひだまり荘管理組合であれば、ひだまり荘内での百合的行為の禁止や、沙英さんの眼鏡をコンタクトレンズに変更させるなどの動議がこれに相当しよう。
    尤も、この2例は、両団体とも採決権所持者数が10名に満たないので、本競技への参加資格は得られないのだが。

競技の進行[編集]

失格団体の例(本競技では屋外での会議は認められないため)。
  1. 参加申請
    上記で述べたような必要事項を、所定の用紙に記入し、エクストリームスポーツ実行委員会に提出する。このとき、必ず次の3点を全て提出しなければならない。
    • 会議参加者全員の氏名・年齢・性別・顔写真
    • ひとりひとりが、議題についての賛否を封書に入れて密封したもの(全員分)
    • 全員分の参加費(1人あたり15600円)
    • 競技開始日時と競技場所(会議場)
  2. 申請が認められた場合は、実行委員会からその旨の通知が代表者宛てに届く。
    このとき、認定員が競技場所に赴くための交通費も請求されるので、速やかに納付しなければならない。
    申請が認められなかった場合、その旨の通知は届くが、納付済みの参加費は返還されない。
  3. 競技開始
    開始時点において、会議への遅刻者や欠席者などがいても競技の進行には差し支えないが、それにより参加者が10名を下回った場合や、反対者数が総出席者数の40%を下回った場合などは、失格となる。また、事前に申請していない者が会議に出席することはできない。(ふつう、全会一致の達成を目指す場合には、とにかく事前に反対者を除去しておくことも有効な手法のひとつではあるが、本競技では、不可能性をより高めるために、会議開始時点ではこの条件をまだ満たしていることが必要となる。)
    競技中は、合法・非合法問わず、どのような手法を用いても良い。但し、競技の模様は全て認定員によってビデオカメラで録画されており、また、認定員は不法行為の積極的な通報は行わないものの、警察や裁判所などから実行委員会に対して記録の開示請求があった場合には、これに応じている。従って、反対者に現金や鉛弾などを贈呈する際には、いかにカメラの目を逃れるかも重要である。
    競技中は適宜休憩をとることができるが、会議場から何人たりとも退出することはできない。退出者が発生した場合はその時点で全員が失格となる。また、遅刻者や欠席者などが途中から参加することもできない。これを満たすために、会議開始から終了まで会議場は施錠される。トイレが近い人はオムツなどを予め装着しておいたほうが良いだろう。
    なお、会議場内に肉体が存在していれば、生命活動の有無については不問であり、競技中に死亡者が発生しても問題は無い[3]
  4. 採決
    会議において、議長(進行役)は置いても置かなくても良い。挙手や投票など、何らかの形で、全会一致での採決が達成されれば成功となる。なお、死亡者は賛成とみなされるが、参加者の全員が死亡してしまった場合には、採決が行えないため、やはり失格となる。
    採決のチャンスは1回のみ。この際に、1名でも反対者がいた場合には失敗となり、その時点で競技は終了となる。

採点・結果発表[編集]

競技が終了すると、採点が行われる。(なお、この採点は、全会一致が成功した場合にのみ行われる。失敗した場合は失格と同じ扱いである。)

他の多くのエクストリームスポーツが複雑な採点基準をもつのとは異なり、この競技の採点基準は「人数点」と「芸術点」のみである。

  • 人数点(上限なし)
    競技開始時点で出席していた反対者数が、そのまま1人あたり1点として得点になる。従って、多人数で参加すれば、成功は困難であるものの、それだけ高い得点を得ることができる。
  • 芸術点(1000点満点)
    認定員によって録画された会議のVTRをもとに、実行委員会評議部会によって合議のうえ決定される。

「人数点」と「芸術点」の積が、その団体の総得点となる。(例えば反対者数が40名、芸術点が800点であれば、40×800=32000点となる。)

集計は1年単位(毎年4月1日~翌年3月31日)で行われ、その年に行われた競技で最も高い得点を獲得した1団体が、「エクストリーム・全会一致 2xxx年度優勝団体」として表彰される。優勝団体には、その年の全てのエクストリーム・全会一致参加者が納付した参加費から、実行委員会の手数料として15.6%を減じた額が、賞金として与えられる。


なお、芸術点の決定は、10名からなる実行委員会評議部会によって、全会一致で決定されることになっている。そのため、採点は遅々として進んでおらず、2017年3月現在においてもなお、2011年度(初年度)の優勝団体さえ決定していない。

どうやら、この記事に「過去の優勝者」の節を設けることができるのは、まだ少し先のことになりそうだ。


脚注[編集]

  1. ^ 全会一致は「満場一致」(まんじょういっち)とも呼ばれるが、この両者は全く同じ状態をさす。本記事では記述の煩雑さを避けるため「全会一致」で統一した。
  2. ^ なお、会議終了後に、会議記録を書き換えることによって全会一致が達成されたかのように装う手法は、「改竄」(かいざん)と呼ばれる。字が似ているので、間違えないように注意してほしい。
  3. ^ 団体の性格によっては、競技開始とともに、まるで映画のような撃ち合いが始まり、数分で決着することもある。但し、全員が死亡し、結局失格になってしまう例もまた多いという。

関連項目[編集]