僕は妹に恋をする

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僕は妹に恋をする』(ぼくはいもうとにこいをする)は、大正初期から終戦、そして朝鮮戦争の終結までの間、日本の二つの都市を舞台に展開される在日朝鮮人と二つの日本人家族との交流を描く問題作である。

概要[編集]

これは、大昔から語られ続ける異種交流譚の一つであり、現在の外交情勢ではまるで無視されるマトモな移民についての物語である。そのため、この物語は忘れ去られる運命であると言われている。

物語の大筋[編集]

この物語では、日韓併合を境にして激変する朝鮮人社会と、海を渡った人々の50年にわたる苦難の歴史を一人の青年・朴の目を通して描いている。

序章[編集]

1910年の日韓併合後、学問を修めるために朝鮮の京畿道から日本に渡った青年、朴J。閔妃暗殺犯親族であった彼は併合以前にすでに日本に留学しており、朝鮮の社会の中でもエリートに属している。今回の日本渡航も、彼の能力を知った日本政府高官からの依頼により日本通の朝鮮人として、ある政商の一社員として引き抜かれたものである。序章では、1890年の彼の誕生から、1894年に起こった東学党の乱と父の死、そして彼の親族の関わった閔妃暗殺事件、そして日韓併合寸前に起こった伊藤博文の暗殺など、当時の日朝の歴史を簡単に伝えている。

第1章(東京編)[編集]

1911年、晴れて東京の一商社マンとして働き始めた彼は、はやくから頭角を現し始め、その後、自国の労働者を日本に送り込むことに大きく関わっていく。当時の日本は鉄道やダム建設などの大規模工事が行われた時代であるため、安価な労働者である朝鮮人はどこの会社でも喉から手が出るほど欲していた。そのため、朴らの朝鮮人エリートと商社はその橋渡しを行うことで、大きな利益を生み出していくことになる。しかし、大正デモクラシーに当たる時代、世界的にも屈指の人口密集都市だった東京では様々な思想が萌芽する環境であり、朴自身、西光万吉らによる全国水平者運動平塚らいてうなどによる女性解放運動、そして、民主主義社会主義共産主義といった様々な思想を語る若者達から影響を受け、自分自身の立場を模索するようになる。そして、大正12年(1922年)の秋、朴はある会合で出会った設立したばかりの日本共産党員だった女性K本(21歳)と熱烈な恋に落ち、そのことが彼の運命を大きく狂わせることとなる。

大正13年(1923年)の春、ついに結婚を決意した2人の前に、彼女の実家から跡取りである長男(50才)がやってくる。なお、妹は当主(70歳)の後妻の子供である。彼はS県の大地主の跡継ぎであり、M大学(当時、M法律学校)を卒業するほどの才子だった。しかし、20歳以上年の離れた末の妹が、変な思想にかぶれ、なおかつエリート商社の社員とはいえ、異国人と一緒になることに賛同することは兄として、また、地元の名士としての立場から決して賛同することはできなかった。

その結果、兄と朴、そして妹の間で喧々囂々の議論が交わされることとなる。この議論は、当時の情勢を知る上で大変参考になるとの呼び声が高い。結局、物別れに終わった彼らの議論の直後、K本の兄は妹を無理やりにS県にある実家へ連れ戻し、そこで強制的に婿入りさせようとする。しかし、夏のある日、彼女の仲間の共産党員から連絡を受けた朴は、台風の混乱にまぎれて彼女を実家から連れ出すことに成功する。そして、東京の下町、いわゆる朝鮮人部落と言われた土地に隠れた二人は、数人の共産党員と彼の仲間達によってたった2人だけの結婚式を挙行する。しかし、そのような行為が問題にならないはずもなく、朴は会社の上司と、急遽上京してきた彼女の兄から大変な叱責を受けることとなる。しかし、彼を引き上げた政府高官のとりなしにより、8月末、ついに兄が折れ、朴とK本はついに正式な婚姻を勝ち取ることに成功する。

しかし、その直後の9月1日、東京都を中心にしたマグニチュード7.9の巨大地震、いわゆる関東大震災が発生する。15万の命を奪った巨大災害の中、K本の妹は朝鮮人部落を襲った混乱の中で行方不明となる。必死になって捜索する朴の前に、朝鮮人狩りを行っている自警団が集まり、朴に激しいリンチを行う。しかし、そんな彼を助けたのは、K本の兄だった。

その後、復興の槌音が響く中、いつまでも妻を探す朴の前に、悲惨な現実が幾つも幾つも突きつけられていく。婚姻届ごと燃え尽きた市役所、よき同僚と優しい上司の死、そして彼を引き上げた政府高官の死。何よりも、この国が抱いていた根深い人種差別の実態が全国各地から集まる朝鮮人労働者からもたらされ、妻の死を信じることのできない彼を打ちのめしていく。そして、妻を捜し続けながら一人異国の地で働いた彼であったが、1927年に発生した昭和金融恐慌によって彼の会社は破綻。彼は異国の地でたった一人、頼る者もないままに放り出される。

第一章は、S県にあるK本家の墓の前でひたすらに慟哭する朴の描写でもって終結する。

第2章(広島編)[編集]

1940年広島市。天涯孤独の身となった朴は、ここで小さくはあったが自分の会社を経営していた。しかし、太平洋戦争が開戦した直後の世界情勢は徐々に日本に対して過酷なものとなっており、そんな中、朝鮮人として会社を切り盛りする朴に対しても明らかな差別意識が見え始めてくる。しかし、そんな彼の前に一市民でありながら人種差別を否定するN家の人々が現れる。彼らとの交流はつかの間の安息を朴にもたらす。しかし、ミッドウェー海戦後、悪化し続けていく戦時下の日本において、弱者であった朝鮮人と自由主義者の交流が問題視されないわけがなかった。その後、物資や食料の配給などで、朴とN家は悲惨な差別下におかれることとなる。

そして、1945年8月6日。一発の原子爆弾により、広島市は壊滅する。運良く生き延びた朴だったが、彼の会社は跡形もなく崩壊してしまう。また、朝鮮人である自分を差別することなく付き合ってくれたN家は、父と長女、そして四男が崩壊した家の中で死んでしまう。そして、地獄と化した広島でも起こる人種差別。しかし、そんな朴と生き残ったN家の人々は以前と変わることなく接していく。

終戦。それまでの価値観は一変し、人種差別を受ける側だった朝鮮人労働者たちが、今度は敗者である日本人を差別していく。そのような現状の中、会社を復興した朴は、決して差別することなく主を失ったN家の人々を影から支え続ける。しかし、終戦後の食糧危機と原爆による放射能がN家の人々の命を徐々に削り取っていく。原爆直後に生まれた次女が栄養失調で死に、3年後、放射能障害によって母親が死ぬ。そして戦地より帰還した長男を中心とした生活も数年で終わることとなり、長男は広島市内で恋人と同居、次男は大阪に就職し、そして朴と一番親交があった三男も東京へ旅立っていく。

そして1953年朝鮮戦争が終結し、朴の祖国は二分される。しかし、皮肉にも朴の会社は戦争による特需で急激に成長したことを明示してこの物語は終焉を迎える。そのため、朴が北朝鮮韓国、どちらの側にたったかは明らかにされていない。

登場人物[編集]

第1章(東京編)[編集]

朴J
朝鮮半島京畿道出身の朝鮮人エリート。4歳のときに父、25歳のときに母を亡くしている。
K本(妹)
S県出身の22歳。女学園出身の才媛だった彼女だったが、当時流行した演劇に傾倒、徐々に社会正義についてを考えるようになった結果、当時非合法だった共産主義に目覚めていくことになる。しかし、1923年9月1日、関東大震災において行方不明となる。
K本(兄)
S県のとある地方に住む大地主の跡継ぎ。大学生だったときに自由民権運動に関わったことがあり、妹の立場にも一定の理解を示している。
S田某省次官
朴Jを日本に呼び寄せた恩人。京都府出身。金玉均と面識があり、朝鮮半島で実際に活動した経験がある。第1章の終わる寸前、1926年にガンのため亡くなっている。なお、K本の妹が共産主義に染まっていたことも知っていた上で結婚を認める行為は、その後、絶対にありえないと批判されている。
M村
N県出身で20代後半の共産党員。朴にK本(妹)の情報を渡し、その後も彼らをかくまうなど彼らに対して陰日なたなく援助を申し出る。しかし、震災後に猛威を振るった社会主義運動の弾圧の際に治安維持法違反で検挙され、3ヵ月後に獄死する。

第2章(広島編)[編集]

朴J
昔の仲間たちの伝をたどりながら広島市にて朴商店を経営している。現在も独身。
N家の人々
三男
第2章の影の主人公。原爆投下直後、学校の校庭の壁によって爆風や熱線の直撃から免れる。しかし、直後、放射能によって頭髪が抜け落ち、わずか10歳にして死の恐怖におびえることになる。その後、町の孤児たちとつるんでヤクザとケンカするなどの荒れた生活を送るが、次々と起こる家族の死を乗り越え、絵画の世界で生きていこうと決意する。
母親
原爆投下直後、洗濯物によって熱戦を免れるも、直後の混乱の中で次女を出産。しかし、終戦直後の欠乏期の中で栄養失調死させてしまう。本人もその後、徐々に放射線に体を蝕まれていき、数年後に死亡。
次女
原爆直後に産まれるも、その後の混乱によって栄養失調で死亡。朴が三男に手渡したミルクを飲むことはできなかった。
父親
自由主義者で反戦運動を支持している。町の住民から差別されても朴との交流を続けた気骨の人。彼の思想は三男に色濃く伝えられている。原爆投下の際に、倒壊した家屋に巻き込まれ、その後の火災で死亡。
長女
原爆投下のおり、父と四男とともに死亡。実は顔を火傷している以外は彼女にソックリさんの踊り子がいたが、この踊り子も病死してしまった。
四男
原爆投下のおり、父と長女とともに死亡。実は彼にソックリさんの孤児がいる。
長男
父親から反対されるも、住民の差別をなくすために戦地へ赴く。その後、生還するも、直後に母親が放射能に犯され、その死を防ぐことのできない無力感の中、酒びたりになる。最後は恋人の手で立ち直る。
次男
原爆投下の際は、疎開していたため被災を免れる。その後、母を看取った後に大阪へ就職する。

世界観[編集]

本作の世界観は、1910年から1950年までの様々な出来事の中で繰り広げられる歴史と、それを実際に体験した人々の想いによって成り立っている。登場する人物や商社の中には、実在しているものや、明らかにそれと分かる人物が多く含まれているため、読む人が読めばそれと分かる。

関連項目[編集]