ムシュフシュ

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ムシュフシュとは、シュメールの神話に登場するドラゴン。寝返り癖のあるドラゴンで、シュメールの小早川秀秋などという別名で呼ばれている。

外見[編集]

ムシュフシュは、の頭と胴体に、ライオンの前足と鷲の後ろ足、そしてサソリの尻尾を持つ奇怪な怪物として描かれている。いわば、一種のキマイラである。だがムシュフシュがこのような姿になったのにはしっかりとした経緯がある。

四本の脚[編集]

元々ムシュフシュはただの蛇だった。しかし、手足を駆使する他の動物達を見ている内に羨望を抱き、自分も手足が欲しくなった。そこで戦いの神ティシュパクに手足が欲しいとおねだりしたところ、俺の軍馬となって文字通り馬車馬として死ぬほど働いたらくれてやるといわれたので承服し、彼の軍馬として南船北馬し懸命に恪勤したので、その尽力を認められて、得物を確実に仕留める鷲の前足と、脚力に優れるライオンの後ろ足を授かった。ところがティシュパクはおっちょこちょいだったので、脚を付与する場所を間違えてしまい、結果として前足はライオンに、後ろ足は鷲になってしまった。

裏切りと蠍の尻尾[編集]

元々は神に仕えていたムシュフシュだが、女神ティアマトーが神に反乱を起こすと、脚を与えてやった恩を忘れてこれに荷担した。ところが、ティアマトーが劣勢になると、再び神々の側に寝返って、かつての同胞であるティアマトー達の殺戮に荷担したのである。シュメールの文献には、ムシュフシュは人質を取らされてやむを得ずティアマトーの配下として働いていた、神々はそれを承知だったので、ティアマトーを倒した時、他の邪神達は殲滅したが、ムシュフシュだけは許したと書かれているが、真っ赤な嘘である

かつてムシュフシュに手足を与えたティシュパクは、ムシュフシュの変節ぶりを嘆いた。そして、節を安易に曲げるムシュフシュに対して、裏切りは誰からも激しく嫌忌されるものであることを思い知らせるために、ムシュフシュを文字通りの「蛇蝎」にすることを決意、ムシュフシュは尻尾を蠍に変えられてしまった。蛇と蠍という、人々から嫌われる象徴である生き物の要素を二つも併せ持ってしまったムシュフシュは、以降人々から遠ざけられ、孤独を味わうようになった……と思いきや、実際には蠍の尻尾という強力な武器を得たことで凶暴さに拍車がかかって暴れまわるようになり、蛇蝎どころか「鬼に金棒」の結果になってしまった。

その後もムシュフシュは大暴れしたらしいが、神様のお友達だったので成敗されることはなかったらしい。しかし大暴れしたせいで凶暴な魔獣というイメージが定着して、それから数千年の時を経て、ファンタジーの世界において、色々な勇者によって何度も何度も成敗されている。

名前[編集]

ムシュフシュという名前は「怒りの毒蛇」という意味を持つ。由来はもちろん、ムシュフシュが常に怒っていたからである。

まだ手足を持たないただの蛇だったころ、ムシュフシュは他の動物には手足があるのに蛇である自分に手足がないことについて強い不満と苛立ちを覚え、事あるごとに怒りを爆発してぶちまけていた。その結果、常に怒っていなければ気がすまない性格になってしまった。それはティシュパクによって手足を与えられてからも変わらず、本来であれば鷲の前足にライオンの後ろ足が与えられるところを、手違いによって前足と後ろ足が逆になってしまったのも、彼の怒りを増幅させる結果となった。

このように、血の気が多く常に怒っているムシュフシュは、宮殿から侵入者を撃退する門番としてうってつけであり、神々からは宮殿を守護する番犬としていいようにこき使われていた。