ペリュトン

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ペリュトン(Peryton)とは、ホルへ・ルイス・ボルヘスが創造した幻獣である。

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史料での言及[編集]

ペリュトンが登場する唯一の文献はボルへ・ルイス・ボルヘスが著した「幻獣事典」である。逆に言うとこれ以外の文献には一切ペリュトンに関する記述が見当たらない。そのためペリュトンはボルヘスが脳内で生み出したオリジナルキャラクターであると推察されている。

概要[編集]

ペリュトンは全身青色の体毛に覆われていて、頭と脚は鹿の姿をしており、巨大な鳥の翼を生やした獣として描かれている。このような異形の姿ではあるが、なんとその影は人間そっくりであるという。影だけが人間という姿は、ペリュトンの正体が放射能によってミュータント化してしまった人間のなれの果てであることを暗示している。ペリュトンは、人間を殺してその肉体を手に入れれば健全な人間の体に戻れると考えていて、人間を襲って命を奪おうとする。

ボルヘスが生きた当時には原子力災害などというものはまだ存在しなかったが、奇形児、ダウン症患者などに対して「ピカの毒がうつる」などと露骨な差別感情を剥き出しにする愚か者は星の数ほどいた。そして、彼らから差別の対象となった「人間でありながら心無い人々によって人間扱いされない者達」が、ペリュトンという幻獣をボルヘスの脳内に生み出す萌芽となっていった。

寓意[編集]

このように穿った設定を持つペリュトンにはボルヘスによるある寓意が込められている。ペリュトンは鹿と鳥の合成獣であるが、鹿とは「馬鹿」の「鹿」を、鳥は「三歩歩けば忘れる鶏頭」と暗示している。そして、ペリュトンの影が人間であるという要素には、人間は三歩歩けば忘れる鶏頭の馬鹿であるということを婉曲的に風刺するボルヘスの意図が込められている。前述にあるように、身体の一部にハンデを負った人間への偏見、差別に着想を得たことと併せて、ペリュトンは人間の愚かさを馬鹿にしようとする意図から生まれた幻獣なのだ。

さらに、ペリュトンがアトランティス大陸に棲息しているという記述も興味深い。アトランティス大陸と言えば、災害によって海の底に沈没したと言われる、かつて地球にあったとされる幻の大陸であるが、科学的根拠から立証はされていない。要するに人間の妄想が生み出した産物である。その妄想の産物である大陸をペリュトンの生息地と設定した背景には、人間は科学的根拠に立脚せず自分の都合の良い妄想から事実を作り上げようとする間抜けな癖があると言うボルヘスの冷ややかな風刺が込められている。

ヨーロッパにおける扱い[編集]

驚くべきことにペリュトンはヨーロッパでは幸運の象徴とされている。その原因としてはモーリス・メーテルリンクの童話「青い鳥」の影響がある。「青い鳥」が流行した後、同じく体毛が青く鳥の翼を持つペリュトンもまた幸運を運ぶ鳥に違いないと解釈した馬鹿なヨーロッパ人が多く、その穿った解釈によって作られた「幸運の鳥ペリュトン」のイメージが浸透してしまったのである。