エリック・クラプトン

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中世のイングランドを放浪していた吟遊詩人の魂は、肉体が滅びてもなお闇の中をさまよい続け、何世紀もの時を経てついに一人の生真面目な臨床心理士、エリック・プランクトン、もとい、エリック・クラプトン(Eric Plankton、1945年3月30日 - )の体に乗り移った。彼についての詳細を以下に書き記す前に、くれぐれも断わっておくが、彼は海洋学者ではない。

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ユーモア欠落症患者のために、ウィキペディア専門家気取りたちが「エリック・クラプトン」の項目を執筆しています。

1963年まで[編集]

「お名前は?・・・ああ、いい響きですね。どちらにお住まいですか?スリーサイズは?」

彼はもとは優秀なカウンセラーであった。常に穏やかに、相手の目線でゆっくりと話し、相手が話したければ好きなだけ話をさせ、その間は質問によって言葉をさえぎることなくただじっと耳を傾けている。そのような誰もを安心させる態度により、エリックは相談者だけでなく同業者からもとりわけ厚い信頼を置かれた。彼が人並みはずれた正義感を持ちながら、それを前面に押し出したり他人に強制したりしなかったことも、彼の評価をいっそう高くした。彼はいつも、誰から見ても穏やかな『いい先生』だった。彼女のことがあるまでは。

レイラ[編集]

ご主人とはいかがです?」彼はできる限り穏やかな口調で訊いた。彼女のあいまいな微笑から、不安の色が見て取れた。

「ええ、最近その、なんと言うか、つまらない、刺激がない、と言われることがあって。レノンとこの日本人取っ代えるぞって。まあでも、あんまりたいしたことはないんですけど。」

そういって彼女は寂しげに笑った。その日は彼のアドバイスに従い、メイド服を一着持って帰ったが、夫婦生活の改善はなされていないようだった。彼がいくら彼女の夫との直談判を申し出ても、彼女は笑っているだけだった。そしてクラプトンが迷っているところに、事件が起きたのだった。

意識をなくした彼女が救急車で運ばれていくのを見送りながら、彼は頭の中で同じ言葉を繰り返していた。彼女は嘘をついた。彼女は嘘をついた。彼女は嘘をついた。たいしたことないなんて、何で彼女はそんなことを言ったんだろう。きっと私が悪いんだ。彼女の心を開かせる努力を怠ったんだ。おまけに夫との交渉を躊躇していた。事を荒立てたくなかったんだ。まったく、私はなんてひどい男だ。Sad, sad ,so sadだ。

クラプトンはひざまずいて泣いた。まじめな彼は自責の念に苛まれ続け、その手は自然と麻薬の瓶に伸びた。

何かが降りてきたのは、そんなときであった。

開眼[編集]

いきなり何かとてつもないものが体の中に入り込んだと思ったら、次の瞬間には彼はカルテを放り投げ、中学生のとき以来触っていなかったギターをかき鳴らしていた。彼は心の赴くままに指を動かし、何も考えずに歌った。言葉が次々、ぽろぽろととめどなくこぼれた。

君はとても長いこと隠してきたけれど、それは君の愚かなプライドさ
レイラ、僕の苦しい心を癒してくれ
君を慰めようとしたけれど
馬鹿なことに僕は君に恋をした
そして全世界をひっくり返されたんだ

自分ではない誰かが脳みそを乗っ取って、自分の本心を勝手に歌っていた。癒しの雨に自分の魂を再び戻してくれるよう祈ったが、手遅れだった。後戻りはできなかった。彼はいつの間にかイギリス随一のロック・ギタリストとなっていた。

スターの苦悩[編集]

彼の演奏は素晴らしかったし、機転も利いた。一度ライブ中に仲間のジェフ・ベックプラグが抜けて機能を停止してしまうと言うアクシデントが起こったが、このときエリックは自分のギターのプラグを抜いて見事笑いを取った。これが受けたために彼は以後電子楽器を使えなくなったが、弘法筆を選ばず、少々縛りがついたところで何てことはなかった。

しかし、熱狂的なファンが増えたことで彼は大いに苦しんだ。ロンドンじゅうに「クラプトンは神」の落書きがされ、彼はまともに外を歩けなくなった。ウィキペディアにお気に入りの屋とトンカツ屋を特定された。彼のつかの間の休息の時は失われた。ジミヘンにギターをあげようとして果たせなかったとか、彼の愛器「ブラッキー」は、同じ型のギターを複数本買って分解し、一番良い部品を寄せ集めて作ったとか、ソース不明で不気味なまでにマニアックな情報が飛び交った。彼の弱い部分がそれらの心無い行為で傷つけられたとき、彼は麻薬に救いを求めた。突然降りてきた才能は、彼の問題を解決してくれはしなかったのだ。

疲れきったクラプトンは、そっと小瓶を手に取る。中身を少しあけ、スローハンドと呼ばれる厳かな手つきで吸引具を扱う。彼の疲れが、トラウマが、一瞬だけ吹き飛ぶ、至福の瞬間。彼女は嘘をつかない。彼女は嘘をつかない。彼女は嘘をつかない。

麻薬に体を蝕まれながらも、彼はかつてのような正義感を失ってはいなかった。警官殺しの罪を着せられたまま亡くなったレゲエの神様、ボブ・マーリーの名誉を回復すべく、「保安官を撃ってしまった。だが助手は撃ってない」とステージの上で自首したパフォーマンスは有名である。

ギターの音を変えるため指に瓶をはめて弾いていたところ、それがコカインの瓶とばれてしまったことからクラプトンは逮捕される。地獄のような禁断症状を乗り越え、薬物から解放された彼は、反省して代わりにお酒を飲むようにしたところ、再び逮捕された。今度こそ本当に改心した彼は、ギターのコレクションの多くを売って、ドラッグ更正センターを建てた。うーん、まじめ。

その後[編集]

女王陛下もお気に入り

ウィキペディアの彼の項目はますます大言壮語を極め、膨大な量の気色悪いファンサイトができ続ける中、クラプトン自身は今も澄んだ声で歌い、素晴らしい演奏をし、オバマ以上の説得力で「世界を変える」と宣言している。

エピローグ?そんなものはない。あってたまるか。