よゆう酌々

出典: へっぽこ実験ウィキ『八百科事典(アンサイクロペディア)』
移動先: 案内検索
Wikipedia
ユーモア欠落症患者のために、ウィキペディア専門家気取りたちが「よゆう酌々」の項目を執筆しています。

よゆう酌々(よゆうしゃくしゃく)は、月刊まんがタイムオリジナル芳文社刊)で2010年5月号から2015年6月号まで連載されていた4コマ漫画である。作者は辻灯子。全4巻。

背景[編集]

この4コマ漫画について語る前に、この作品の背景について語る。

この漫画が掲載される以前、作者には2006年から2010年まで連載し、読者から好評を得て単行本も3巻上梓していた「ただいま勉強中」という作品があった。しかし、読者から好評を得ていたためになんと、掲載誌を4つまたいで移動しながら連載を続けるという、正直見ててアレ?と思わざるをえない状況になり、その結果、ゆるゆると時間を進めようとしていた作中で、主人公らがまったく進級できないという、サザエさん状態に突入。最終的に作者が編集部とマジゲンカした結果、人気を得ていたにも関わらずいきなり終了。

あんな佳作が黒歴史化ってオイ。しかも、単行本のあとがきで暴露って、オオイイイ

ちなみに、上記のような悲劇、別名、芳文社4コマ雑誌名物「掲載誌たらい回し」は、その翌年にまんがタイムラブリーが休刊になったことによって終焉を迎える。つまり、それまで7つの掲載誌ごとに存在していた主力作品と、それを支える中堅の作家陣の数が明らかにつりあわず、実力不足の若手がその穴埋めをしていた状況が、一誌休刊したことで改善、ようやく一息つくことになったためである。ちなみに、なぜこんな話になったかといえば、90年代に大量に登用した若手の実力が2000年代半ばよりグングン伸びはじめたため、その流れで古株を大量に切ったところ、その穴埋めとして登用した新人の実力がアレだった、という話でもある。あわせて、芳文社の永遠のライバル竹書房がラブリーと同じく若い女性層に向けて発行している「まんがライフMOMO」の質が異常、という不幸も休刊に影響している。

と、至極勝手に思う事にする。

最も、ラブリーという風除けがなくなった結果、まんがライフMOMOの対抗誌として芳文社が誇る超化け物コンテンツ「まんがタイムきらら」が挙げられることになるんだから、世の中は皮肉だ。

そんな中、一連の騒動に巻き込まれた作者が、編集部とのゴタゴタという、或る意味創作者としてオシマイレベルの騒動に巻き込まれた中でこの作品は連載を始めている。精神的にアレな状況の中でのスタートであったことからファンにだいぶ心配された作品であるけれど、最終的に4コマ作品としては中の上、連載5年という数字と単行本4冊というけっこーな数字を残して終了。とりあえず、編集者とのマジゲンカをしても、作者が正しければ、そして作品が面白ければ何とかなるという話を証明する。

背景[編集]

この作品の内容について語る前に、この作品の背景について語る。

ご安心ください。わざと分かりにくく書いたほうが逆に分かりやすくなることもあるのです。

はっきり言えば、この作品の背景は昨今の4コマ作品の中でもかなり異常な部類で書き込みがなされている。しかも、書き込みすぎ、スクリーントーン使いすぎからくる圧迫感から来る鉄格子漫画化を上手く避けており、登場人物の衣装だけでもガンガンにスクリーントーンやベタを使用しまくってる。にも関わらず、この4コマ漫画は目に優しく奥行きがある。背景以外にも、たとえば4コマ漫画に必須である「登場人物の顔のドアップ」でさえ、顔だけで1コマ稼ぐなどというよーく見かけられる方法ではなく、必ず少し引いての構図から、服装一瞬のポージングといった表現がなされている。

表情+ポージング表情オンリー

せっかくなので、後学のために太字で書いておく。

これらの要素の結果、4コマ作品が生き残れる要素としてかなり大きな地位を占める「他作品との違い」がもんのすごく大きい。つまり、そういった違いを愛する固定客が多い。さらに、この作品を読んでから他作品の背景と見比べるか、もしくはこの文章を見た後で、各種4コマ作品の背景やら表情のドアップを見比べると、明らか過ぎる違いに愕然とできる。

まぁ、それ以外にも色々と違いはあるけれど。

で、何が問題かというと、およそ4コマ漫画と言われる作品においては、生き残る作品ほど背景が描かれている。小道具が描かれている。衣装が描かれている。衣装の変化も描かれている。もちろん、それ以上にネタ、もしくは内容の比重が一番重いことは正しいのだけれど、「作品としてその4コマを読む」ことを考えると、こういったネタ以外の要素が重要になってくる。もちろん、暇つぶしのために「ネタとしてその4コマを見る」もしくは「流す」場合、ネタが全てである。けれど、単行本を買いたいと思わせる、もしくは手元に単行本を置いて作品ごとに読み比べていくと、確かに4コマ漫画というものはネタが一番重要であるのだけれども、それ以外の要素もまた無くてはならないことが分かる。

作品内容[編集]

この作品は、バツイチ、ヤニ中(ただし、途中から吸わなくなる)、のんべで、なおかつ小料理屋の女将を無理やりに押し付けられた主人公(女)を取り巻く人間模様を丁寧に描いた作品である。なお、作品の見所として、服のしわ、陰影、構図、髪の毛、耳の中といった、他作品がデフォルメして描かない部分がしっかりと描いてあるため、そういった視点で読むと、恐ろしく内容が濃くなっており、また、普通4コマ漫画で描かれることのない小道具がおっそろしいほど大量に描かれている点も注目である。

なめろうを描いた4コマというのは、或る意味空前絶後という気がする。

実際、小料理屋が舞台ということで、大量の小道具が所狭しと並んでおり、ひしゃくぐい飲み徳利フライ返し格子窓砥石割烹着かぼすが出てくるのはまだ理解できるとして、店内の神棚には注連縄、住居内の仏壇には鐘と鐘たたき(正式名称「鈴」&「撥」)、宅飲みした場面では普通にこたつ&天板、そしてさらに雀牌が出てくる。

この漫画の楽しみ方はどこか別のところにある気がしてならない。

そもそも、単行本1冊の中に普通に鮭とばが2回も出てくる段階で、むしろ読者が試されてるんじゃないかという気にすらなる。

登場人物[編集]

三森優
主人公。バツイチにして物語第一話目で見事に失職。母親から無理やりに小料理屋「みもり」と仏壇、先祖の墓を引き継がされる。タバコ麻雀をたしなむ女性。年齢は不詳であるものの、作品のラフ(設定)の段階では27、8歳。すでに、濃いキャラ成分の飜数で数えれば、満貫に到達している。ちなみに、料理に掃除、美しい文字及び絵はまるでダメ。結婚中も単身赴任で家を出た夫に対し、家事に関する一切合財を義母にまかせっきりのまま2人暮らし。そのまま、1年半後に協議離婚とのこと。なお、生活力は無いけれど、生命力はある。趣味はピクロス。この段階で確定三倍満
単行本2巻より戸田と一つ屋根の下で暮らすことになるものの、同居の条件が「私の下着かぶって踊ったりしなければ」の段階で、いろいろといろいろとフラグがへし折れて行く。
Just you Wait!!(今にみてな)
三森怜
優の母にして、これまた年齢不肖の人。1話目にして、営んでいた小料理屋を娘に引渡し、本人はオーストラリアに嫁ぐこと宣言。娘が、離婚、失職した直後、すぐさま経済状況まで見抜いたにも関わらず、なにこの仕打ち。結果、一ヶ月ほど母が手伝ってから娘は無事小料理屋の女将に就職せざるをえなくなり、そして本人はダーウィンの町で新婚生活を送ることになる。ちなみに、弱点はパソコン関係。
戸田篤志
小料理屋「みもり」の助っ人にきたイケメン。ただし、恋愛要素皆無。すなわち、無愛想な上、優柔不断、言葉の端々にトゲが混じる上、女性関係で傷ついた過去も現在も両方アリ。ハネ満確定。なお年齢はこれまた不詳。ただし、10年前に料亭の修行に入ったことから、中学卒業時点として25歳ぐらいと思われ、女将よりも年下である。けれども、人生経験においてはまだまだ未熟で、実家で両親及び兄とその婚約者と同じ屋根の下で暮らす中、兄嫁となる人への想いが募るという悪循環に突入。その後、2人の結婚、妊娠という当たり前な話を経てもなお振られてはいないと言い張る段階でまずい。その上、彼女に告白してすらいない。結局、未練を捨て去るために家を出ることにするも、部屋探しに苦戦。最終的に、屈辱的な条件を飲む形でみもりに住み込むことを決める。
その後、ぐーたらな女将と掛け合い漫才のような生活を続けるものの、こたつの魅力については認めざるをえなかった模様。
なお、その料理技術は中々のもので、専門学校で日本料理を習った後、京都で修行。その後、祖父が営む割烹で働いていたところ、祖父が急死。店をたたむことになり、そこを前女将に引き取られる。祖父と前女将の関係は不明。なお、兄の10年来の恋人に恋慕して、その後、結婚を経てもまだあきらめきれずに、妊娠発覚後にようやくあきらめたという段階で、倍満に到達した気がする。
升田粧子
主人公の先輩にして、小料理屋みもり出入りの酒屋の娘。基本、いい人。ただし、若干か、もしくはそれ以上に都合のいい人成分も混じる。主人公以上のトラブルメーカーにして、戸田以上に毒舌。地元の同年代がほとんどいなくなったためか、必要以上に主人公らとつるんでいる。ただし、まったく男女関係や恋愛感情といったものが見受けられないのは、アルコール成分が若干多めなせいであると同時に、重度のフケ専(年上好み)なせいでもある。
甘えんなよ
森永歩
主人公の高校の後輩で同じソフトボール部のレギュラー同士。偶然に他の飲み屋で主人公と再開した後、イケメン戸田の噂を聞きつけた翌日みもりを訪れる。しかし、鉄壁の無愛想に長期戦を覚悟した結果、みもりの固定客が一人増える。その後、何度かみもりで主人公らと宅飲みを行うも、なんら進展はない。
単行本2巻においても進展はない。
3巻においても尚。
最終巻においては、もはや割烹みもりのどつき漫才の観客を楽しんでいる風でもある。
横浜住まい。
橋本みかげ
割烹「渡月別館」の新米女将。新しい料理人を求めて、各地の料理人を探索中、目をつけた一人がみもりに勤める戸田。その腕前を知ろうと通いつめたところ、女性に対しても遠慮がない戸田から本日のオススメを大量に勧められることになり、結果、常に予算オーバー。最終的に、「味」ではなく「料理をより多く注文させる商才」から、戸田をスカウトしようとする。
中川茉莉
みもりの専属税理士として2巻より登場。天然ボケ成分が少々濃い目で、方向音痴。さらには下戸。けれども、歩留まり仕入れも分からない上、売掛金の回収にすら無頓着な主人公にとってはなくてはならない存在。てゆうか、それでいいのか自営業

ネタばらし[編集]

なお、この作品、および作者の素晴らしいところとして、情報を最小限に抑えているため、単行本を何度も読み返さないとよく分からない話がいくつか存在する。

・・・訂正、個人的に単行本を何度も読み返してようやく分かった話が存在したので、至極勝手に補足することにする。むしろ、それが記事を書く動機にすらなっている。それにあわせて、より深い部分で、重いネタがいくつか存在したため、それも補足することにする。まさか4コマ程度でそんなことをする必要なんて、と思う人に対して一言。

それがいいんぢゃないか

宝くじ[編集]

作中で、宝くじに高額当選する場面があり、その際にいくつものネタが複雑に絡み合い、一瞬何がなんだか分からないままオチにまで到達、再度読み直して、新たな発見をしてもなお分からない、そんな話が存在する。最終的に3回ほど読み直して、扉絵と、何気なく戸田が持っている紙切れに注目して、ようやく、つじつまがあった・・・かな?と思わざるをえないのだから相当である。ちなみに、それに伴う一連のネタの流れは、

  1. まず扉絵の段階で、神棚の掃除中に戸田が宝くじを発見(その時、女将は小銭か何かを両替しに銀行へ)
  2. そこへ粧子が急襲、戸田と掛け合い(その際に、宝くじをしっかりと持っている)
  3. その直後に実は高額当選していることが発覚(ただし、それに関する描写は皆無)
  4. みもりに帰ってきた主人公にそのことをしっていたかどうかを確認→主人公、宝くじの存在自体忘れていた
  5. なんだ戸田君の他店引き抜きのことを知ってたかという話じゃなかったのか→ひっちゃかめっちゃか。
  6. ・・・という流れだと思われる。多分。

なお、このモヤモヤ感があるから、辻灯子の諸作品は他作品と圧倒的な差がある、とも言える。単行本を読み返す回数の多さは、或る意味ダントツである。

小料理屋みもりの場所[編集]

作中に出てくる具体的な地名として、魚を仕入れる築地(東京都中央区)と森永の住まいがある横浜の2つが登場する。また、駅の向こう側に多くの飲み屋が出店している光景や、戸田が毎日終電で帰る場面も存在するため、どこかの駅の近くと思われる。そして、商店街がシャッター通りとなっていることに、自治会長が嘆く場面や、宝くじを換金できるM銀行が近くにないという、或る意味決定的な情報が存在。これが、いわゆるみずほ銀行だとすると、多分どころではなく、本当にある程度は特定できそうなのでやめておく。

同居の条件[編集]

年下の男性と同居するという恋愛フラグをのっけからへし折りまくっている主人公の条件について、なぜいきなり下着なのか、なぜ踊らなければならないかを考えてみると、結局のところ、離婚した夫がやった可能性が高い。その上、離婚後1年以上たっても戸田をまったく男性扱いしていないしされていない件についても、別れた夫がらみという可能性が高い。

結論[編集]

情報が少ない作品を、わずかな断片から徹底的に解剖し、作品の裏側をそれとなく推理していく行為が面白くて面白くて仕方がない・・・という話は、正直なところ、ウィキペディアであろうとアンサイクロペディアであろうと同じである。また、そういった作品ほど、固定客がつきやすいことも確かである。

・・・なおかつ、ネタバレの欲求に突き動かされることも、確かだけれど。

つまるところ、分かりやすい表現で分かりにくい話をすることで、より深みにはまらせることが可能になる。

関連項目[編集]