はたらく細胞

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『はたらく細胞(さいぼう)』とは、清水茜による超巨大宇宙移民船ホムンクルス号を舞台にはたらく船員たちのドタバタを描いたSFコメディ漫画である。

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概要[編集]

本作は『月刊少年シリウス』に2015年から連載されているSF漫画である。少年誌でガチのSFはあまりウケない、というのが一般的な風潮としてあるが、本作は大胆にも、宇宙船人間の体内細胞に喩えたことで話題を呼んだ。スペースコロニーマクロスなど、創作世界の巨大な宇宙人工都市は数多く存在するが、本作の舞台となるホムンクルス号はその大きさが半端ではなく、推定数百㎞にも及ぶ。これは『インデペンデンス・デイ』に登場するエイリアンのマザーシップに匹敵する。ホムンクルス号では37兆もの人々が生活しており、主人公たちはそれを陰ながら支えるクルーとして登場する。従って本作は、細胞の擬人化漫画ではなく、あくまで宇宙船を描いた漫画と言える。

SF慣れしていない読者にも伝わるように、本作で登場人物たちは役職に見合った人体の細胞の名称で呼ばれる。これはいわばコードネームのようなものである。よくバトル漫画で、強い奴が十二支とかチェスの駒とかタロットカードを役職名にするアレと同じである。読者が親近感がわきやすいよう、固有人名は登場せず、あくまで隊員番号で呼ばれることが多いが、37兆もいればそうせざるを得ないだろう[1]。SFでのオペレーターだのエンジニアだのプロフェッサーだのと言った意識高い系の職名が並んでもSF慣れしていない読者はチンプンカンプンであろうが、本作に登場する「赤血球」「血小板」「マクロファージ」といった名称は学校理科授業TVでよくある健康番組などでもなじみ深く、彼ら彼女らのドタバタはある意味一番身近な題材とも言える。身近というか、身そのものである。故に本作はSFにじぇんじぇん興味を持っていない方でも楽しんで読めることから、下はリアル血小板から上はお年寄りまで、凄まじい広さの読者層を得るに至った。されど本作は細胞の漫画ではなく、宇宙船の漫画である。そもそも多くの細胞の寿命は現実準拠だと1週間未満であり、成人として描くのは極めて的外れだ。

またSFと言えば手に汗握るバトル展開である。本作もそれは同じであり、主人公の一人とされる白血球1146をはじめとする「免疫細胞」と称される防衛隊は、日々あらゆる宇宙人と戦っている。宇宙人たちの恐るべき罠、迫りくるパンデミックの恐怖。さらには獅子身中の虫である、反乱軍のテロ。そうした様々な戦いはまさに血で血を洗うスリルとサスペンスに満ちている。もちろん登場人物は人間でありではないので、このたとえは間違っていない。本作は細胞の漫画ではなく、宇宙船の漫画である。

こうした超常的な存在はホムンクルス号側も同様であり、人知を超えた体力や、人間とは異なる生態を有した「細胞」たちが数多く登場する。しかし、彼らはあくまで細胞ではなく人間である。作中では赤血球たちがホムンクルス号の深奥に隠されたロストシヴィライゼーション(忘れられた文化)を発掘していくシナリオもあり、そこで明かされた事実で「かつて地球上の様々な民話・伝説に登場した亜人妖怪などの種族は、全て宇宙人もしくは人為的に作り出された種族である」というSF的解釈がなされた。これにより、古代人宇宙飛行説などオカルト的な考古学民俗学にも本作は触れているので、しつこいようであるが本作における「細胞」の名称はあくまで目安であり、実際は宇宙船を描いている話であることが改めて明かされた。

2018年にはアニメ化もされ、ド深夜アニメにも拘らず「学校で教材としてダビングDVDが使用された」「全国の病院に単行本が置かれた」「子供が血小板のコスプレをした」などというすさまじいブームを起こした。ジャパナイジングビームの威力は偉大だ。されどくどいようであるが本作は細胞の漫画ではなく、宇宙船の漫画である。

何せ、「細胞」の詳細を日本の教育課程では高校生物レベルでないと説明出来ない。その上高校生物では扱わないウイルスや免疫に特化している。細胞の教材としては極めて不適切だが、PTAは真相を知らない。

あらすじ[編集]

西暦が忘れ去られてから早幾星霜。愚かな核戦争や環境の変動、度重なる宇宙人の襲来により人類は疲弊し、(友好的な異星人たちとの協力も経て)持ちうる全ての技術を投じて超巨大恒星間移民船「ホムンクルス号」を建造。宇宙に飛び出していったコロニーの住民たちもこれに賛同して合流、地球連合は新天地を求め旅立った。

それからさらに幾千年もの月日が流れた。ホムンクルス号の住人たちはいつしか自分たちが人間であることも忘れ、いつか訪れる第二の地球のことを夢見ながら日々を暮らしていた。彼らは先祖たちがシャレでつけた細胞の名を冠し、今日もホムンクルス号の維持のために働き続ける。たとえ毎日のようにエイリアンが攻めてきたとしても。


登場人物[編集]

(自分のことを)細胞(だと思い込んでいる移民たち)[編集]

赤血球
細胞に生活物資を運搬する運び屋。男女混合であるが、女は短パンで足がエロい。ヒロインであるAR3808もこの一人。
本来赤血球は栄養分と老廃物を運搬しない細胞である(血漿が運ぶ)が、そんなことを言っていたら細胞が栄養失調で死んでしまうので、赤血球が栄養も運んでいる。従って科学的ミスだ! とか言ってはいけない。本作は細胞の漫画ではなく、宇宙船の漫画である。
血小板
やあ、かわいいなあ。コロニーの修復作業に携わる小柄なヒューマノイド型宇宙人。かつて地球では「ドワーフ」とか「コロポックル」と呼ばれていた。子供のまま成長しないので、決して児童労働ではない。真面目な種族であり、体が小さく手先が器用なため、コロニーの穴などに潜り込みやすく、重宝されている。
巨核球
ドワーフクイーンとも呼ばれる血小板の女王。血小板を単為生殖で増やす。先史時代には「巨人」とか「地母神」と呼ばれていた希少な種族。
白血球
人間から進化した新人類の一種。船内防衛隊「免疫細胞」の一般隊員で、警察官警備員の役を担う。狭義では好中球を表す。作中では何百体悪玉宇宙人を殺そうが全く死ぬ気配がないが、それは彼らが白血球ではなく人間(から進化した種族)だからである。故に本作は細胞の漫画ではなく、宇宙船の漫画である。
好中球
主人公の一人である1146もここ所属。コロニー内を自在に駆け回り、悪玉宇宙人を懲らしめる。先史時代には「バーサーカー」と呼ばれていた。
好酸球
過去の遺伝子改造で「怪獣に対しては最強の戦闘力だが、他が一般細胞並み」というピーキーすぎる性能にされてしまったミュータントガールズ。先史時代には「エルフ」と呼ばれていた。
黒歴史

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好塩基球
語ろうか、回り続ける糸車が紡ぐ時の糸の物語を。春の夜の一睡の夢を。
遥か古の始まりの王たちより賜りし御名、其を「好塩基球」と人は称す。舟が大地を踏みしめていた時代には、人はこう呼ぶ。「セントエルモス」と。
舵を失い彷徨い続ける星空の大帆船、防人の名は「白き血の球」。塩の基を好みし球の名を冠する「彼」は、幾兆の雑踏の中、巡り行く運命と縁を持つ者の前にのみ現れる。防人達は今日も戦う、振り上げたナイフの切っ先の、突き出した二又のロンギヌスの目指すその先の、邪悪なる闇の僕の毒牙を打ち砕くために。彼は、まだその拳を振るう術を知らない。彼は、まだ自らの正義で裁く魔性を知らない。白き狂戦士と、桃の狩人がその衣を返り血で赫に染めても、彼はその血/地に留まれない。彼はまだ、己の宿命を知っていないから。
されど先人は云う。無視は罪なれど、無知は悪ならずと。彼は征く。不帰の旅路を、皆で還る為に。何かを成す為ではなく、何も成されないために。銀の刃を携える、「最強」の名を持つ女たちの嚆矢が放たれし時、彼は征く。仲間たちに、星舟の危機が迫るその凶報を伝えるために。慈しみの篠つく雨が降りしきる中、鈍色の戦装束を纏いし彼はその歩を進める。共に戦う、友の進む道を、艫へと導く、燈となる為に。
マクロファージ
おほほ~、まあ随分長く書けたわね、偉いわ~。
新人類たちの中でも女性だけで構成された最強の特殊部隊であり、先史時代には「デュラハン」や「バルキリー」と称されていた。赤血球の担当教官や船内の環境維持も務める。警邏の際に得た情報をすぐさまヘルパーT細胞に伝える。
ヘルパーT細胞
人間である。防衛隊「免疫細胞」の参謀本部並びに総指揮官を務める。
制御性T細胞
ミュータントである。防衛隊の過剰攻撃による民間人の二次被害を軽減するためにはたらいている。
細胞障害性T細胞
防衛隊の主力強攻部隊。全員が、遺伝子改造を受けたミュータントである。改造直後のルーキーは「ナイーブ」、戦闘時には「エフェクター」、エフェクターの姿を常時制御できるようになった個体を「キラー」と称する。
B細胞
機動隊
記憶細胞
エイリアンのデータベースを管理している書記。テンパりやすい。
樹状細胞
防衛隊の指揮権限を有する。ん? 俺間違ったこと書いた?
肥満細胞マスト細胞
コロニー内の消防換気設備の女性技師。小保方博士の子孫。
NK細胞
自ら何の命令もなく勝手に警邏し勝手に敵を倒す「殺人許可証」を貰った独立遊軍部隊。女性活躍が甚だしい。ミュータントだったり生身だったり宇宙人だったり、出自は様々。はたらく細胞グである(審議中)
細胞
特に名称の無い一般人。37兆人いるらしいが、働いている姿を誰一人としてみせない「はたらかない細胞」。彼らが主人公のスピンオフも制作された。だが、別の細胞宇宙船では働くこともあるらしい。
善玉菌
コロニーに共生する、見た目が人間型ではない宇宙人の総称。古来より地球にも住み着いており、地球脱出に伴い付いてきたものや、宇宙からやってきたものなどがいる。古代人からは「妖精」と呼ばれていた。

病原体(呼ばわりされるホムンクルス号の敵)[編集]

悪玉菌
いわゆる宇宙人。ホムンクルス号を奪い取り自分たちのコロニーにしようと目論む流浪の種族。殺戮と破壊しか頭になく共存は不可能。
先史時代にも幾度となく地球に訪れており、「妖怪」や「怪物」などと称されていた。
善玉の細胞が無個性なのに対して、一体ずつ個性をもつ怪人として描かれている。そのため、味方の綺麗な建前話よりも敵の目の覚めるような暗躍を描きたかったのではと指摘されている。
寄生虫
いわゆる宇宙怪獣。よくホムンクルス号が採掘作業で持ってくる食料の中に紛れて入ってくる巨大な怪獣。先史時代には「」と呼ばれていた。
ウイルス
いわゆる寄生生命体。知性は低く、細胞たちを乗っ取って増殖する。先史時代には「アンデッド」と呼ばれていた。
癌細胞
ホムンクルス号の政治体制に異を唱えるテロリスト。投薬により特殊な能力を使い、コロニー内壁と一体化して襲い掛かる。このような特殊能力に溺れ、他の人間たちを堕落させ破壊と殺戮を撒き散らすものを、先史時代には「悪魔」と呼んでいた。

エピソード一覧[編集]

  1. 運命の出会い
  2. 撃つな! B細胞
  3. 男だ! 燃えろ!
  4. 小さな英雄
  5. 寄生虫-パラサイト-
  6. 熱波襲来
  7. 僕でも雑菌は退治できる!
  8. 白い悪魔の恐怖
  9. 許されざる命
  10. ハイタツ作戦第1号
  11. ウイルスのたくらみ
  12. 必殺! フォーメーション抗原大撲殺木端微塵拳
  13. 悪魔の預言
  14. 白血球浮上せず!
  15. 雑菌10万匹! 奇襲計画
  16. 泣くな! お前はマスト細胞
  17. 絶望の暗雲
  18. 体内氷河期
  19. 細菌を接待漬けにしろ!
  20. 優しい標的
  21. 侵略する死者たち
  22. この細菌はあたしが殺る
  23. 細菌総進撃
  24. 激ファイト!! メモリーVS制御性
  25. 悪魔は再び

余談[編集]

  • 2018年夏には無茶苦茶な異常気象の発生もあって、「熱波襲来」の回が熱中症対策として無料公開される珍事も巻き起こした。
  • アニメ版最終回放映の日に、免疫細胞とガンに関するオプジーボの研究で京都大学本庶佑特別教授がノーベル賞を受賞した。
  • ↑を見計らったかの如く、講談社が教材としてのフリー素材提供を始めた。

脚注[編集]

  1. ^ ただ作中の赤血球のアルファベット2桁+数字4桁だとたったの676万人でカンストするが、突っ込んではいけない。

関連項目[編集]